■ユーロ急反発! 南欧リスクは後退
先週(5月28日~)は、南欧リスクが高まった週でした。
イタリアで再選挙の可能性や、ユーロ離脱懸念が出たことで、ユーロ/米ドルは一時、1.1509ドルまで下がりました。
【参考記事】
●ユーロ急落の主犯は日本の機関投資家? 米欧貿易戦争の激化による円高に警戒!(6月4日、西原宏一&大橋ひろこ)
ただ、新政権の発足や、ユーロ離脱を支持する財務相の就任が見送られたことなどをきっかけに、イタリア危機が後退し、ユーロも急激に反発しています。
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まだ、スペインの政局不安は残っていますが、イタリアほどの影響はないことから、南欧リスクは後退したと考えています。
■積極的なリスクテイクは難しい局面
米国の通商政策に関しては、ここまでユーロ圏に対しては、鉄鋼とアルミニウムへの関税を適用国から除外していましたが、5月31日(木)にカナダなども含めて、適用国とすることを決めました。
それに対抗すべく、各国が報復措置を検討していることから、これからも貿易戦争は継続していくことになります。
今週(6月4日~)は、7日(木)に日米首脳会談があります。
6月12日(火)に米朝首脳会談があり、それに向けた日米間の連携を念頭に置いた会談となりますが、経済などの貿易関係も話題に挙がるようで、日本もこれから貿易戦争が活発化してくることが考えられます。
また、8日(金)~9日(土)にはG7(先進7カ国首脳会議)もあり、米国に対して他の国が関税への懸念を表明することが予想されます。
株式市場も含めて、積極的にリスクを取っていくには難しい局面ではないかと考えています。
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■FOMCの利上げ後は米ドル/円が下がる!?
6月12日(火)~13日(水)には、FOMC(米連邦公開市場委員会)があります。
利上げは、ほぼ確実です。
これまで、利上げが決定されたFOMCでは、2017年6月のときを除いて、直前まで米ドル/円は下げにくい展開となり、利上げ後は下がっていることが多いため、今回も下がる可能性が高いのではないかと考えています。
(出所:Bloomberg)
■ユーロの下落は一服したと判断!
そして、6月14日(木)にはECB(欧州中央銀行)理事会があります。
ECBは、現行の量的緩和を9月に終了することを予定しています。その後も緩和を継続していくかどうかを、今回のECB理事会でアナウンスするのか、予想が分かれるところですが、イタリア危機が起きたところなので、その判断を7月のECB理事会へ先送りするのではないかと思います。
そうであれば、ハト派な内容になりますが、市場もすでにハト派な予想の方が多いように思います。
イタリアの政局不安が後退したことや、貿易戦争は活発化しているものの、金融市場には、まだそれに反応するような動きが出ていないことからすると、ユーロ/米ドルは下落も一服したとみなしていいのではないかと考えています。
ただ、ユーロを買うような材料はないため、しばらくは方向性がつかない動きになりやすいのではないかと思います。
■ユーロ/米ドルは1.15ドルをバックに買い
ユーロ/米ドルは、テクニカル的には1.15ドル台のサポートゾーンで支えられたこともあって、目先はボトム(=底)をつけたと考えています。
【参考記事】
●ドル/円は111円台が目先の天井! ユーロの下落も目立つがドル/円売りが良いワケは?(5月29日、バカラ村)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 月足)
また、週足では先週(5月28日~)のローソク足の下ヒゲが長く、反発を示唆しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
下降トレンドが強かったため、上がったところでは売りが出てくると思いますが、1.15ドルをバックにした買いの方が、いいのではないかと考えています。
ただ、買い上がるような材料もないため、1.18ドル台では手仕舞いするべきかと考えています。
■米ドル円は目先、底堅いけれど…
米ドル/円の方は、日米首脳会談における貿易に関する内容や、米朝首脳会談ですぐに非核化に向けた合意ができるとは思えないことが、リスク回避の材料になりやすく、南欧リスクも完全に沈静化されたわけではなことから、売り方向の方がいいのではないかと考えていますが、目先は108円台で反発したことで、底堅い展開となっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
目先は反発していますが、FOMC後は下がりやすく、中長期では貿易戦争が活発化してくることが予想されるため、下がりやすいのではないかと考えています。
【参考記事】
●ドル/円は111円台が目先の天井! ユーロの下落も目立つがドル/円売りが良いワケは?(5月29日、バカラ村)
(出所:Bloomberg)
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