■懸念材料のほとんどが短期間で解決
前回のコラムで、さまざまな政治的な懸念材料を列挙しましたが、そのほとんどが短期間で解決してしまいました。
【参考記事】
●5つの政治的リスク噴出でリスクオフに! でも、大きな円高局面は円売りチャンス!?(5月31日、今井雅人)
一時は中止かと心配された米朝首脳会談ですが、紆余曲折がありながらも、予定どおり6月12日(火)に、シンガポールで開催される見込みとなりました。
会談の中身は、まだ不明ではありますが、トランプ米大統領も即時の非核化までは求めないと述べており、一応の合意をみることは確実になってきています。
■市場はリスクオフからリスクオンへ転換!
欧州の政治混乱も、ユーロの急落などを招きましたが、こちらもすぐに収束しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
イタリアでは、何とか連立政権が成立し、事なきを得ました。スペインでは、内閣不信任が可決されたものの、政権交代だけということで、こちらも落ち着きを見せています。
【参考記事】
●ユーロ急落の主犯は日本の機関投資家? 米欧貿易戦争の激化による円高に警戒!(6月4日、西原宏一&大橋ひろこ)
トランプ米大統領が、中国や日本に対して、厳しい通商交渉の姿勢を見せているものの、NAFTA(北米自由貿易協定)や米韓FTA(自由貿易協定)の見直し交渉を見ても、トランプ大統領自身が、どこかに落としどころを持って交渉を仕掛けてきている様子も見られます。
そのため、今後、致命的な決裂は避けられる可能性は十分あると、市場も認識してきているようです。
これらの政治リスクが意外に早く一服したため、市場も一時のリスクオフの状態から、リスクオンの状態に転換してきています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
(出所:Bloomberg)
■FOMCの利上げは中期的な米ドル高要因!?
その上で注目したいのが、各国の金融政策です。
米国では、6月12日(火)、13日(水)の日程で、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されますが、今回は、0.25%の利上げが確実視されています。
【参考記事】
●FOMCで利上げした後はドル/円が下がりやすい。ユーロ/ドルは下ヒゲ長く反発示唆(6月5日、バカラ村)
市場への短期的な影響はないという気もしますが、米国の短期金利が上昇するということは、やはり、中期的な米ドル高の流れを作るのではないかと考えています。
(出所:Bloomberg)
心配なのは、新興国通貨です。米国の短期金利が上昇すると…
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