■新興国通貨に手を出すのはまだNG!
心配なのは、新興国通貨です。
米国の短期金利が上昇すると、新興国から米国への資金シフトをもたらすと言われています。
実際に、トルコリラなどは、非常に不安的な動きとなってきました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 日足)
新興国通貨には、まだ手を出さない方がいいでしょう。
【参考記事】
●利上げしたのにまた別の金利を利上げ!? 3種類?4種類? 複雑なトルコ政策金利を解説
●【謎】トルコリラが半年間に2回も朝7時すぎ~7時10分すぎに急落したのはなぜか?
■ECBの政策転換は間近!?
もう1つの注目材料が、ECB(欧州中央銀行)の定例理事会です。
6月6日(水)に、ECBのチーフエコノミストであるプラート専務理事は、「債券購入を停止する時期を巡る政策委員での最初の公式協議が、目前に迫ってきている」との認識を示しました。
つまり、2015年以降、継続してきた、債券購入という量的緩和策を終了していくプロセスが始まるということを意味しています。
いよいよ、FRB(米連邦準備制度理事会)に続いて、ECBも政策を転換することになります。ちなみに、次回のECB理事会は、6月14日(木)に開催される予定です。
■テーパリング決定ならユーロ/円に買い妙味
ECB理事会で、正式にテーパリング(※)の開始が決定されれば、ユーロに上昇圧力がかかってくるでしょう。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
そうなると、難しいのはユーロ/米ドルです。ユーロの上昇圧力と米ドル高圧力が、綱引きを起こす可能性があります。
どちらかと言えば、ECBの決定の方が、インパクトは大きいと思われるので、多少のユーロ高にはなるかもしれません。
(出所:Bloomberg)
また、米ドル/円は、緩やかな上昇をイメージしていて、当面は、111円程度がターゲットとなるのではないでしょうか。
(出所:Bloomberg)
個人的には、ユーロ/円を買ってみるのが、おもしろいのではないかと考えています。
(出所:Bloomberg)
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