■ユーロ/米ドルは1.15ドルが強いサポートに
6月28日(木)~29日(金)に、EUサミット(欧州連合首脳会議)がありました。
それまで、ユーロは上値が重い状態でしたが、EU首脳が移民・難民問題で合意したことから反発しました。
【参考記事】
●難民問題のドタバタでユーロは乱高下! 対中関税第一弾発動で為替はどう動く?(7月2日、西原宏一&大橋ひろこ)
さらに、期末の影響もあって、ユーロ/米ドルは1.1690ドルまで上昇しました。
テクニカル的に、ユーロ/米ドルは1.15ドルが3回サポートされ、その水準から大陽線を付けたこともあって、1.15ドルのサポートが強い状態を示しています。
![ユーロ/米ドル 日足](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/5/0/-/img_501f811c4ab8c57487b4fa6211a1ffc160780.jpg)
(出所:Bloomberg)
ドルインディックスは、95台のレジスタンスにぶつかっているものの、高値と安値が切り上がっています。
![ドルインデックス 日足](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/9/f/-/img_9f6e793241505f9cd7425016fac37bd872298.jpg)
(出所:Bloomberg)
ユーロ/米ドルは、上値が切り下がってきており、1.15ドルを下抜ける可能性もまだ残っていますが、1.15ドルがサポートされている間は、上昇が期待できます。
【参考記事】
●ファンダメンタルズ的には売りでもなぜ買いなのか? ユーロ/ドルは1. 20ドルへの上昇も(6月26日、バカラ村)
●下抜けるか、抜けないか。ユーロ/米ドルは強いサポート水準の1.15ドルの攻防を注視(6月19日、バカラ村)
■リスク回避でも円はむしろ円安で推移している!?
米中の貿易戦争懸念も続いており、リスク回避の動きから、株式市場は軟調な展開となっています。
![NYダウ 日足](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/a/4/-/img_a408f2fc1fb7cd71309cf0c4b31b2b3861475.jpg)
(出所:Bloomberg)
ただ、為替市場の方は、通常なら「円高・米ドル高・オセアニア通貨安」というのがリスク回避の動きですが、現在は、ドル高やオセアニア通貨安になってはいるものの、円高にはなっていない状況です。
![米ドルVS世界の通貨 日足](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/8/f/-/img_8ff8d765da18d5581fe7a68e2d3ed1ba56152.jpg)
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![豪ドル/米ドル(左)とNZドル/米ドル(右) 日足](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/d/b/-/img_db4cf3d3b470d5d7d6b3740464f4054a44223.jpg)
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![世界の通貨VS円 日足](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/d/3/-/img_d3b3f400dd0af5ceae7eac3890ea04f460775.jpg)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
円インディックス(実効為替レート)を見ると、直近2カ月は横ばいとなっており、むしろ、少し円安になっているぐらいの状況です。
■米ドル/円はショートカバーに警戒だが…
米ドル/円でM&A絡みのオーダーが出ているようですが、クロス円の上値が重いため、その影響で上昇にも弾みがつかず、110円台を中心とした推移となっています。
![米ドル/円 日足](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/4/7/-/img_478c4d58cabd6fe6617b66f06bc388d552407.jpg)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
徐々に米ドル/円を売っている人が増えているような感じもあり、ショートカバーで上昇する可能性も出てきています。
【参考記事】
●トランプ大統領を襲った想定外の出来事!? 底堅い米ドル、米ドル/円は押し目買いで!(6月28日、今井雅人)
ただ、季節性では、8月の米ドル/円は円高になりやすく、米中間選挙前の株式市場は、軟調になりやすい傾向があります。さらに、今月(7月)下旬からは、日米通商交渉が始まることもあって、米ドル/円はショートカバーが出たとしても、そこから積極的に買い上げる状況でもないと考えています。
■米ドルとオセアニア通貨の組み合わせが良さそう
今週(7月2日~)、7月4日(水)は米国が独立記念日で祝日となります。
7月6日(金)は米雇用統計もありますが、この日は米国が中国に対して340億ドルの関税を発動することになっており、貿易戦争懸念からリスク回避の動きになりやすいと考えています。
ただ、リスク回避で円高になっておらず、米ドル高、オセアニア通貨安になっていることから、米ドルとオセアニア通貨の組み合わせが良いのではないかと考えています。
そのうえで豪ドル/NZドルを見ると、上昇(豪ドル高・NZドル安)していることもあり、NZドル/米ドルの売りが良いのではないかと考えています。
![豪ドル/NZドル 日足](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/7/1/-/img_71080282b9073c40270f1acc199ba25761839.jpg)
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■下降トレンド続くNZドル/米ドルを戻り売り!
NZドル/米ドルは、直近2年のレンジを下抜けており、下降トレンドが続いています。
NZドル/米ドルは、4月13日(金)の0.7393ドルから5月16日(水)の0.6849ドルまで、544pips下落しています。6月6日(水)の0.7058ドルから、その値幅と同じだけ下がるとすれば、今回の下げのターゲットは0.6514ドルとなります。
![NZドル/米ドル 日足](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/c/4/-/img_c4c0a7a6ed5e0df372e4fd5fca5c3d8a82940.jpg)
(出所:Bloomberg)
価格は安値を更新していますが、MACDはまだ、前回の安値をつけた時の水準を下回っていません。そのため、売りを考えていますが、短期的には下がりすぎの状態のため、戻り売りで良いのではないかと考えています。
![NZドル/米ドル 日足](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/8/6/-/img_8610533a85126f7d48042f50cf794e3682971.jpg)
(出所:Bloomberg)
季節性からは円高にもなると思いますが、まだ時間がかかりそうで、目先のリスク回避の動きが米ドル高とオセアニア通貨安になっているため、そちらを採る方が良さそうです。
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