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ホリエモン仮想通貨祭(1) ミスビットコインは
ナカモトサトシの正体を知っているのか?

2018年07月13日(金)22:00公開 (2018年07月13日(金)22:00更新)
ザイFX!編集部

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■仮想通貨版の「ホリエモン祭」は今回が初めて

 2018年7月7日(土)、七夕の日に東京・秋葉原のベルサール秋葉原で「ホリエモン仮想通貨祭」が開催された。今回からシリーズ記事で、その模様をレポートしたい。

「ホリエモン仮想通貨祭」イメージバナー

 ホリエモンこと堀江貴文さんは6月30日(土)に『これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話』という仮想通貨の書籍を出版したばかり。そんなタイミングで今回の「ホリエモン仮想通貨祭」は開催された。『これからを稼ごう…』は堀江さんの2冊目になる仮想通貨に関する書籍で、単著としては初めてとなる仮想通貨本だ。

 2017年に「六本木ホリエモン祭」が開催されてから、日本全国、さらには海外でも「ホリエモン祭」は開かれているのだが、仮想通貨をテーマにした「ホリエモン祭」は今回が初めてとのこと。いったいどんな祭になるのだろうか?

■ミスビットコインが思った仮想通貨業界で一番ロマンチックなこと

 「ホリエモン仮想通貨祭」は3部構成になっていたが、第1部にまず登場したのはグラコネ代表取締役であり、ミスビットコインこと藤本真衣さん

藤本真衣さん写真

「ホリエモン仮想通貨祭」第1部に登場したミスビットコインこと、グラコネ代表取締役の藤本真衣さん。仮想通貨の歴史や最近の動向、管理方法などを初心者向けにわかりやすくレクチャーしてくれた

 藤本さんは「最後の?! “初心者向け講習” ~もう知らないでは済まされない仮想通貨~」と銘打って、仮想通貨の歴史や基本的な特徴、最新動向、セキュリティなどについて解説した。

 その中で筆者が印象的だったのは藤本さんが「仮想通貨業界で一番ロマンチックなことはナカモトサトシが誰かわかっていないこと」と話していたこと。

 ナカモトサトシとは言うまでもなく、ビットコインの発明者のこと。

 堀江さんとかつて火花を散らしたような金融業界の相当な著名人の中にも「ナカモトサトシと会って話をした」と言っている人がいるのは事実。けれど、藤本さんは「田舎に帰ったとき、ナカモトサトシさん、見つかったね~」と言われることがあるけれど、そんなときは

 「いや、たぶん違う」

 と答えると話していた。

 藤本さんは、「ビットコインやブロックチェーンの思想がここまで根付いたのはナカモトサトシが正体をばらさなかったことが一番のポイントだったんじゃないか」という見方をしているという。

ビットコインのコンセプトである非中央集権的な体制を体現するため、計画的にナカモトサトシは正体不明なままでいるのでは…というのである。

■生活費以外の日本円はほぼゼロ。余剰資金はすべて仮想通貨に!

 また、ビル・ゲイツが「ビットコインへの投資はクレイジーで、するならカラ売り」と発言したこと、ウォーレン・バフェットが「ビットコインは殺鼠剤を2乗したようなもの」と発言したことを取り上げ、「今のビットコインはある意味、無視できない存在になっている」と藤本さんは指摘

藤本真衣さん写真の写真

藤本さんがビットコインに出会った頃は、まだ誰もビットコインのことなんて知らず、あまり興味も示してもらえなかったそう。今やビル・ゲイツやウォーレン・バフェットも無視はできない存在に…!? ちなみに、藤本さん、生活費以外の日本円は持たず、ほとんど仮想通貨に替えているそうだ

 藤本さんが最初、ビットコインを広めようとしたときはみんなにほぼ無視されていたという。しかし、今ではみんながお金ってなんなのか、ビットコインってどうなのかということを真剣に考え始めており、世界中で地位を築いてきた人も、もうビットコインから目がそらせなくなっているというのだ。

 ちなみに2011年に仮想通貨に出会って以来、仮想通貨業界を盛り上げたい!と活動してきた藤本さんだが、今は生活費以外の日本円はほぼゼロ。貯金はなく、余剰資金はすべて仮想通貨に替えているそうだ。

■少額決済がやりやすくなる「レイヤー2」

 第一部の後半はベトナム在住の大石哲之さんも登場。「仮想通貨が世の中をどう変えるか」と題し、ベトナムの自宅にいる大石さんと映像で会場を結び、藤本さんとの対談になった。

藤本真衣さんと大石哲之さんの写真 5826

ベトナムからの中継で大石哲之さんも参戦。「仮想通貨が世の中をどう変えるか」という壮大なテーマのもと、藤本さんとの対談が始まった。「大石さんの最近の興味はどこにあるのか?」という藤本さんの質問に対し、仮想通貨業界の有名人、大石さんの回答は…?

『これからを稼ごう仮想通貨と未来のお金の話』(堀江貴文著)

⇒Amazonで『これからを稼ごう仮想通貨と未来のお金の話』(徳間書店/堀江貴文 著 大石哲之 監修)を見る

 大石さんは仮想通貨の専門家として非常に著名な人。他ならぬ堀江さんの新刊『これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話』の監修も務めている。大石さんは以下の記事のとおり、ザイFX!の当コーナーにも登場してもらったことがある。

【参考記事】
【仮想通貨激論!】広瀬隆雄vs大石哲之(0) 大物2人がツイッター上でにわかに激突!
【仮想通貨激論!】広瀬隆雄vs大石哲之(2) 本当にトラストレスの意味を理解してます?

 「大石さんの最近の興味はどこにあるのか?」という藤本さんの質問に対し、大石さんは(1)「レイヤー2(セカンドレイヤー)」、(2)「クロスチェーン」と答えていた。

 ブロックチェーンではスケーラビリティを確保すること、つまり、たくさんのものを処理することが難しく、これが課題となっている。それを解決するための方策の1つがレイヤー2だ。

 レイヤー2は基本はブロックチェーンの外で相手と取引を行い、それを最後にブロックチェーンに乗せるというもの。レイヤー2なら、たくさんの取引の処理がしやすくなり、少額決済がやりやすくなる。藤本さんはビットコイン寄付サイト「KIZUNA」も運営しているが、レイヤー2が広まれば、そのような寄付も集めやすくなると話していた。

 そして、大石さんによると、今年に入って、このレイヤー2の開発競争が激しくなっているそうだ。

■異なる仮想通貨をつなぐ「クロスチェーン」

 大石さんが最近、興味を持っているもう1つのものが「クロスチェーン」だ。

 クロスチェーンについて大石さんは「仮想通貨はたくさんあるけど、それぞれ派閥があって、ワイワイ言い合ったり、ケンカしたりするんですけど~」と苦笑いしながら話し始めた。

大石哲之さんの写真

苦笑いを交えながら、クロスチェーンについて話を進める大石さん。そういえば大石さんって、リップル批判の急先鋒として知られる人物だったような…

 今回の「ホリエモン仮想通貨祭」のパンフレットで、大石さんのプロフィールには一番先頭に「シリアスビットコイナー」と書いてあった。大石さんは単なるビットコイナー(※)ではなく、筋金入りのビットコイナーということなのだろう。そしてまた、大石さんはリップル批判派の急先鋒として知られている。苦笑いの背景には、たぶんそんなことがある。

 異なる仮想通貨同士は取引所では交換できるが、それ以外には関係性がない。そこで、異なる仮想通貨のブロックチェーンを接続して、何かうまくできるようにしよう、というのが「クロスチェーン」とのこと。

 これが大石さんが最近、興味を持っているもう1つのトピックということだった。

(※フルタイムビットコイナーの東晃慈(Koji Higashi)氏によると、「ビットコイナー」とは「ビットコインに魅了された人たち」という意味。語感的にはビットコイン保有者すべてを指すようにも感じられるが、通常、そのような意味でこの言葉は用いられていない)

■今のビットコインは96年、98年のインターネットぐらい

 この対談のテーマは「仮想通貨が世の中をどう変えるか」。少し話が戻るが、藤本さんはレイヤー2の話題が出たところで、レイヤー2によって仮想通貨での少額決済が手軽なものになれば、世界はどう変わるのか?と大石さんに問いを投げかけていた。

藤本真衣さんの写真

「レイヤー2によって仮想通貨での少額決済が手軽なものになれば、世界はどう変わるのか?」と、質問する藤本さん。終始、興味深々の様子で、楽しそうに大石さんへ質問を投げかける姿が印象的だった

 これを受けて、大石さんはインターネットの発展段階になぞらえると、今のビットコインはどのあたりにあるかという話題を持ち出した。大石さんによると、今のビットコインは94年、96年ぐらいのインターネットだと言われることがよくあるというが、大石さん自身は96年、98年のインターネットぐらいの状況だと見ているそうだ。

 それはウェブ産業がやっとできてきたぐらいの頃であり、今では当たり前の広告やアフィリエイトやSNSを当時は誰も想像していなかった、と大石さんは解説する。「文字をクリックできて、何がうれしいんだ?」と言われていたと。

 「テクノロジーは基盤が大事。ビットコインとかマイクロペイメントで将来、何ができますか?と言われても、正直、僕も明確にはわかりません。

もし、ビットコインが生活の基盤に入ってきたら、今、みなさんが考えているようなビットコインの使い方とはまったく違う使い方をしているでしょう」

 こんなふうに大石さんはビットコインの将来を見通していた。

 技術の基盤がしっかりできてくれば、その効果的な使い方はそのうち出てくる、というのが大石さんの見方だった。

■仮想通貨は第2のインターネットになる

 そして、「仮想通貨は第2のインターネットになる」と大石さんは言う。

 「インターネットが僕らの生活に欠かせないものとなり、生活の隅々まで浸透してきたように、仮想通貨やトークンという概念もたぶん、生活の隅々まで浸透していくだろう」

 このように大石さんは話す。

藤本真衣さんと大石哲之さんの写真

「仮想通貨は第2のインターネットになる」と、大石さん。だとしたら、仮想通貨は、これからもっと爆発的な広がりを見せることになるのかも!? 途中、大石さんがいるベトナムで停電が起き、中継が途切れるアクシデントもあったが…全体的には、とても興味深い対談内容となった

 このあと、停電で大石さんの映像が固まってしまうなどのアクシデントもあったが、藤本さんからは仮想通貨業界のコミュニティ・ビルディングのお手伝いをしていきたい、という話があったり、大石さんからは大石さんが住んでいるベトナムの仮想通貨事情の話があったりした。

■仮想通貨に関するブースがいろいろと並んでいた

 この「ホリエモン仮想通貨祭」、会場内にはICO関連、仮想通貨書籍関連、マイニング関連、ハードウェアウォレット関連などのブースが並び、セミナーの合間には各ブースのPRタイムも設けられていた。

「ホリエモン仮想通貨祭」ブースの写真

「ホリエモン仮想通貨祭」の会場内には、関連企業がブースを出展。なかには講演の途中、PRタイムにプレゼンする企業も。仮想通貨関連とは言っても、いろんなジャンルの企業があるんだなぁ~。多くの参加者が立ち寄って、ブース内もにぎやかだった

 そして、休憩を挟んで第2部はいよいよ、ホリエモンこと堀江貴文さんの登場だ。

「ホリエモン仮想通貨祭(2) 1800倍以上に爆騰したイーサリアムが取り出せなくなった!?」へつづく)

(編集担当:向井友代[ザイFX!副編集長] 撮影:和田佳久)


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