■相場はポジションの傾きに影響を受けていた
そして、その後は、ほぼ毎週、米ドル/円のロングポジション(=円の売り越し)は減少し続け、4月3日(火)にとうとう、ポジションがショート(=円の買い越し)に反転しています。
米ドル/円が、今年(2018年)の最安値をつけたのが3月23日(金)と3月26日(月)なので、約1週間しかずれていません。
IMMのポジションはその後、低位で安定していましたが、ここ1カ月ほどで、再び米ドル/円のロング(=円の売り越し)が増加傾向に入り、直近では約4万枚程度のロングになってきています。
※CFTCのデータを基にザイFX!が作成
つまり、米ドルを取り巻く環境は、それほど大きく変化はしていなかったにも関わらず、ポジションの傾きの影響で、相場は動いていたということになります。
■投機筋には米ドル/円を買う余地がまだある!
その上で、今後のことを考えてみます。
米ドル/円も、年初来の高値にほぼ近付いたことで、しばらくは高値警戒感が出るでしょう。
(出所:Bloomberg)
しかし、IMMの非商業ベースのポジションを見ると、まだ、投機筋は米ドル/円を買う余地を残しています。
米中の貿易摩擦も、当面、市場には大きな影響を与えないということが最近、確認されているので、新しい不安材料が出てこない限り、リスクオフの動きにはなりにくいです。
そうなると、しばらく相場はレンジに入るものの、どこかでまた、米ドル高に向かい出すときが出てくるのではないでしょうか。
【参考記事】
●米ドル/円は今年の高値を目指す展開か! 押し目は確実に買っていく方針で臨みたい(7月12日、今井雅人)
■需給にも注目すれば、いずれ米ドル高になりそう
もう1つ、考慮しておくべきなのが、日本企業によるM&Aの動向です。武田薬品工業を筆頭に、今年(2018年)の春先から、日本企業による海外企業の買収が活発化してきました。
そして、それに関連した円売りが、市場で散見されるようになってきています。
【参考記事】
●中国はトランプ大統領に徹底抗戦の構え! 市場が注目する、その他2つのポイントとは?(7月5日、今井雅人)
●貿易戦争を警戒してるのに米ドルはなぜ安定している? 米ドル/円は需給に注目!(6月22日、今井雅人)
そうした需給動向も、米ドル/円相場の動きに影響しています。
繰り返しになりますが、どこかの段階でまた、米ドル高になる可能性を考えておきたいと思います。
(出所:Bloomberg)
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