■ドルインデックスの日足に示された重要ポイントとは?
改めてドルインデックスの日足を見ると、いくつかのポイントが重要で、トレンドの継続を支える根拠になるから、指摘しておきたい。
まず、6月14日(木)安値から大型トライアングル型保ち合いが形成されてきたが、すでにいったん上放れを果たしていること。
(出所:Bloomberg)
次に、7月9日(月)安値を「ヘッド」と見なし、6月26日(火)安値と7月17日(火)安値を「ショルダーズ」と見なした場合、「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」(三尊底)というフォーメーションが確認され、そのネックラインも前記トライアングルの上限ラインと合致しているから、こちらも上放れが確認済であった。
(出所:Bloomberg)
最後に、筆者が繰り返し強調してきたように、6月14日(木)の大陽線は典型的な強気リバーサルであり、また、サインとして重要だったので、同サインを否定できない限り、米ドル高基調は維持される公算。
それに加え、7月9日(月)の切り返し、また、7月17日(火)の再度の強気リバーサル点灯も一段と強気変動構造を証左している。したがって、これからも上値トライしやすいとみる。
【参考記事】
●ショック以外の形容詞がないほど強烈なユーロ下落はなぜ起こったのか?(6月15日、陳満咲杜)
トランプ氏の発言があったから目先、再度反落、一見トリプルトップを形成しているようにも見えるが、6月安値を起点として、すべての値動きを整合的にみた場合、「アセンディング・トライアングル」(上昇三角形)といったフォーメーションの形成が推測される。
(出所:Bloomberg)
この場合はやはり、これから上方突破の可能性が大きく、再度高値更新があれば、上昇加速が見られるだろう。フォーメーションにおける抵抗ゾーンのブレイクが確認されたあとのテクニカル要素に加え、トランプ米大統領の発言があったから同フォーメーションが強化されているところも大きいかと思う。
■再度高値更新があれば、米ドル/円は115円台へ上昇!
前回コラムでも強調したように、「巷の理」として「わかりやすい理」は個人投資家に支持されやすく、また、それがいわゆる多くの専門家の論調と合致する場合は市場が往々にして「理外の理」を示す傾向にある。
【参考記事】
●ドル/円112円突破! 裏切られた個人投資家。次は日経平均、再び「買うなら今でしょ!?」(7月13日、陳満咲杜)
そして、今回はまたこのような局面にあるのではないかと思うのだ。トランプ氏が米ドル高けん制をしたから米ドル高が終焉したという「わかりやすい」理屈がまた裏切られる可能性が大きいと思う。
主要外貨のうち、英ポンド/米ドルの安値更新が外貨安・米ドル高のトレンドをけん引しているとみる。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 日足)
米ドル全面高の継続は、往々にしてクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の押し下げにつながるから、現在の英ポンド/円の反落をその一環と見なすが、安値更新は回避できる見通しだ。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 日足)
その理由はほかならぬ、今回の米ドル全面高に米ドル/円が追随しているということにある。このような構造、これからも続くとみるから、米ドルの押し目買いが引き続きおすすめ。再度高値更新があれば、米ドル/円は115円の大台を狙えるだろう。
市況はいかに。
(出所:Bloomberg)
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