■米欧の貿易摩擦はひとまず緩和
先週(7月23日~)は、米欧首脳会談がありました。
トランプ大統領は、自動車関税をかける可能性も示唆していましたが、EU(欧州連合)側が譲歩し、
●自動車以外の工業製品の関税をゼロへ
●貿易障壁の撤廃を目指す
●大豆の輸入を増加
などで合意し、貿易戦争は一時的に緩和されました。
これからも、協議が継続されている間は、自動車関税が発動されることもないため、当面は、米国とEU間での貿易摩擦はやわらぎます。
■米GDPへの市場の反応は米ドル安だったが…
7月27日(金)には、米4-6月期GDP(国内総生産)・速報値の発表がありましたが、前期比年率で+4.1%と、かなり良い数字となりました。

※2018年4-6月期は速報値。ほかは確報値
※米商務省のデータを基にザイFX!が作成
発表前は、さらに良い数字が出るとの期待もあったため、発表時の相場の反応は米ドル安となりましたが、この数字を見ると、米国の景気は良いことを表しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
■最大の注目は日銀会合。出口政策は時期尚早!?
今週(7月30日~)のイベントとしては、本日(31日)、日銀金融政策決定会合の結果公表があります。さらに、8月1日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)、2日(木)に英MPC(金融政策委員会)、3日(金)には米7月雇用統計の発表があります。
この中で、市場がもっとも注目しているのは、日銀会合になります。
日本では、低インフレが続いていますが、長期間の金融緩和の影響で、金融機関の副作用が懸念されており、金融緩和を柔軟化させて、副作用を緩和させるのではないかと言われています。
すでに、出口政策期待からの円買いも出ているようですが、低インフレが続いている中で、日銀が出口政策に向かうには早すぎるように思います。
【参考記事】
●金融政策変更報道は市場反応を探る日銀のリークか!? 材料出尽くしで来週は円売り!(7月27日、陳満咲杜)

※2014年4月~2015年3月の数値は消費増税の影響を除いた数値を掲載
※総務省統計局のデータを基にザイFX!が作成
■大事なのは市場に出口だと認識させないこと
2013年には、バーナンキ元FRB(米連邦準備制度理事会)議長が量的緩和の縮小を示唆して、株価が下落し、テーパータントラム(緩和解除による市場の混乱)が起きました。
同じように、日銀にとっては非常に難しい局面に来ており、市場参加者が出口だと認識するようなことになれば、日経平均が下がり、米ドル/円も下がることになります。

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
重要なのは、日銀が市場に出口だと認識させないことだと思います。
ETF(上場投資信託)の買い入れに関しては、TOPIX(東証株価指数)連動型の購入配分を増やすとの予想もありますが、こちらは、為替市場への影響は軽微だと思います。
【参考記事】
●日銀の金融緩和政策修正は「地ならし」程度のものに!? 米ドル/円はどう動くのか?(7月30日、西原宏一&大橋ひろこ)
●米ドル/円は当面レンジが継続!? 日銀が大幅な政策変更をしないと考える理由は?(7月27日、今井雅人)
8月1日(水)のFOMCは、パウエルFRB議長の会見がなく…
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