■FFRは初日が終了。漠然とした懸念は続くか
まずは、市場が注目しているFFR(日米通商協議)の状況です。8月9日(木)に初日を終えた段階ですが、まだ具体的なものは何も出てきていません。
中国に対して、あれだけ強行に出ているトランプ米大統領であるので、楽観はできないものの、いきなり極端な制裁措置を実施してくる可能性は低いと考えています。
【参考記事】
●日米通商交渉は怖くない!? 米国側が強硬で円高が来れば絶好の買い場!(8月3日、今井雅人)
ただ、当面は、市場に漠然とした懸念は蔓延し続けるでしょう。
■110円台維持なら112円台へ向かう動きに期待できそう
そういう状況を反映して、米ドル/円は頭が重いです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
日本人投資家の買い注文は、断続的に入ってはいるものの、上昇させるほどの力はありません。
110円台をしっかり維持できれば、いずれ、徐々に112円に向かって動き出す展開も期待できると考えています。
■米ドル/円以外に気になる動きが…
ところで、米ドル/円は方向感がなくなってきていますが、そのほかの通貨では、少し気になる動きが出てきています。
まずは、英ポンドです。
現在、EU(欧州連合)離脱に向けて協議が行われていますが、それはあまり、うまくいっていません。
正直に言って、イギリス人の多くは、この決断は間違っていたと後悔しているのではないでしょうか。
しかし、もう引き返せない状況に陥ってしまっていることで、英ポンドに売りが集中しているということです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 日足)
英ポンド/米ドルは、1.28ドル台と、約1年ぶりの安値をつけていますが、ここを切ってしまうと、チャート的には1.25ドル台が視野に入ってきます。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 週足)
■ユーロ/米ドルは1.15ドル割れで一気に急落も
次に、ユーロです。
米国は、着実に利上げを実施している一方で、ECB(欧州中央銀行)は、金融緩和政策からの転換に二の足を踏んでいます。
この対照的な金融政策の違いが相場に反映され、ユーロ/米ドルは頭が重いです。
基本的には、米ドル高の流れの中にあるということでしょう。
ユーロ/米ドルも、今のところオプション関係の買いが集中しているなどの理由で、1.1500ドルのレベルを守っていますが、ここを下に抜けると、一気に英ポンド/米ドルのような急落をする可能性があると考えています(※)。
(※編集部注:本記事の寄稿後、8月10日(金)の東京時間にユーロ/米ドルは一時、1.1440ドル付近まで下落した)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
■利上げ時期が先延ばしされてNZドルが急落
3つ目は、NZドルです。
RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])のオア総裁は、減速する経済の「帆に風を送り続ける」と表明した上で、「成長が一段と弱含む場合には、対応する用意がある」と語りました。
また、これより先にRBNZは声明文で、「2020年までは、政策金利を現在の1.75%に据え置く」との見解を示しています。
利上げがかなり遠のいたということで、当然のようにNZドルは下落しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 4時間足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/円 4時間足)
最後に、トルコリラです。トルコの金融当局は…
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