■米中貿易摩擦で中国は70万人の雇用喪失!?
みなさん、こんにちは。
当コラムで集中してご紹介してきた豪ドルですが、今週(9月10日~)も中期的には続落を示唆するような報道が目立ちます。
【参考記事】
●トルコショック収束も世界的な政治混乱は続く…。 豪州の政情不安で豪ドルが下落!(8月23日、西原宏一)
●9月入りで相場のセンチメントに変化…!? 米国株調整入りなら豪ドル下値余地拡大!(9月6日、西原宏一)
まず、JPモルガンのレポート。
JPモルガンのレポートによれば、米中貿易摩擦によって中国は70万人の雇用を失うとのこと。摩擦が激化すれば、もちろん影響はそれ以上に…。
この予測は、米政権が2000億ドル相当の中国製品に25%の追加関税を実施することに加え、中国人民元がさらに5%下落するとの前提となっています。
中国の雇用喪失は中国株の下落を誘引します。
弱気相場入りしている上海総合指数は、2700ポイントを割り込んで、大きな反発もないまま2650ポイントレベルで推移。

(出所:Bloomberg)
■過去10年中でも今は豪ドルと中国株の相関性が極めて高い
そして現在は、豪ドルと中国株との相関性がここ10年余りの中で、極めて高まっている時期に当たります。

(出所:Bloomberg)
そのため、米国との貿易摩擦に中国がどう対応するかで豪ドル相場が左右されるリスクを浮き彫りにしているとバンク・オブ・ニューヨーク・メロンが指摘しています。
チーフ通貨ストラテジストのサイモン・デリック氏は今週の顧客向けリポートで、「新たな発表がなされた場合、人民元と共に中国市場がどのような反応を示すかが、豪ドルを考える際の重要な問いだ」と論じ、「豪ドルにとって極めて重要な数週間」となる可能性があるとコメントした。
出所:Bloomberg
もともと豪ドル、とくに豪ドル/円は、米国株との相関性が高く、米国株が上昇すると豪ドル/円も正の相関を示し、上昇する傾向がありました。いわゆる、リスクオンといわれる相場です。
ところが今年(2018年)は米国株が大きく反発しても豪ドルはまったく反応せず、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンが指摘するように、中国株の下落とともに大きく値を下げてきました。
結果、上海総合指数が3000ポイントの節目を割り込み、下落相場入りしてじり安に推移する中、豪ドルは主要通貨に対して全面安となっています。
以下の画像は、米ドルに対する主要通貨の年初来騰落率を示しています。

(出所:BlooombergのデータよりザイFX!編集部が作成)
スウェーデンクローナを除くと、豪ドルは対米ドルでもっとも値を崩した通貨になっています。
しかし、大きな戻りもなく…
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