■パウエル講演はハト派との意見多数! 総じて米ドル安に
今月(8月)24日(金)に、マーケットが注目していたジャクソンホールでのFRB(米連邦準備制度理事会)パウエル議長の講演が終了しました。
メディアによって捉え方に相違があるのですが、総じて見ると、「利上げの打ち止め時期が近づいた」といったようなハト派な意見が多数。
【参考記事】
●FRB議長が利上げの終盤を印象づけた!? 新興国から流出した資金が向かう先は…?(8月27日、西原宏一&大橋ひろこ)
つまり、「来年(2019年)の利上げサイクル終焉」という見方が増え始め、米金利は低下。
特に、このコラムで何度か取り上げさせていただいた、米10年国債利回りは、じり安に推移し、3.00%台をなかなか回復できません。
結果、マーケットは、パウエル議長の講演終了後、総じて米ドル安に。
【参考記事】
●中期的にはリスクオフ継続で円高進行中! 銅価格20%強急落が意味するものとは…!?(8月16日、西原宏一)
(出所:Bloomberg)
■トランプ政権が米ドル安に向けて行動を起こす?
そして、今週(8月27日~)のマーケットでは、もう1つの要因が大きくのしかかって、欧州通貨中心に米ドル安が急速に進行しました。
下記の記事は、8月9日(木)のブルームバーグの報道記事ですが、あまりに唐突であり、一部の金融関係者の1つの見方として報道されていました。
しかし、ここにきて他の米大手金融機関も同じような懸念を持っていることを表明し始めたため、ご紹介します。
トランプ政権がドル安に向け行動を起こす可能性も想定-JPモルガン
米国が幾つかの国・地域との間で通商対立を繰り広げる中で、弱いドルを望むトランプ大統領がその実現に向け行動する可能性があるとの見方をエコノミストは真剣に受け止め始めている。
JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は今週の調査リポートで、「現政権が時々、ドル安選好をほのめかしたり、中国による為替操作と受け止められるものに反対を表明したりする点を特に踏まえると、当社の基本シナリオではないものの、一段と介入主義的な通貨政策への転換の可能性を排除することはできない」と指摘した。
出所:Bloomberg
トランプ大統領が、再三、中国と欧州に対して、為替について不満を述べていることは、たしかです。
ここに円が入っていないのは、安倍首相が総裁選を控えているため、円に関してのコメントを控えているのではとの見方も…。
どちらにせよ、8月15日(水)を境に、ユーロ/米ドルを筆頭に、対欧州通貨で米ドル安が進んでいます(ユーロ/米ドル、ドルインデックスは、8月15日(水)を変化日として方向を転じています)。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
以下は、ジャクソンホールで経済シンポジウムが…
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