■FOMCでは今年3回目の利上げを決定
9月26日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)では予想どおり、今年(2018年)3回目の利上げを決定。
市場が注目したのは2021年の政策金利見通しでしたが、2020年と同じ3.375%に。一方で経済見通しは引き上げられ、強弱が混在する結果でしたが、「最後の利上げは2020年」とハト派的に受け止めた人が多かったように思います。
(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部が作成)
セル・ザ・ファクト期待からFOMC後、米ドル売りを仕掛けた人もいたようです。しかし、FOMC前に米ドル高が進んでいなかったため、ユーロ/米ドルは下落、米ドル/円は上昇と米ドル高に動いていますね。
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■英国の「合意なき離脱」とイタリア財政赤字
米ドル高が進んだのは、欧州材料も大きかったのでしょうね。
イタリア政府が閣議決定した経済財政計画は、向こう3年間、財政赤字となる内容。前政権は黒字化する計画を立てていましたから大きく後退する内容です。
ムーディーズやS&Pが今月(10月)、格付けを発表する予定ですが、ムーディーズの格下げは、ほぼ確実との見方も。
先週(9月24日~)前半に1.18ドルで跳ね返されたユーロ/米ドルですが、イタリアの話題もあり、今度は1.15ドルブレイクを試しにいきそうですね。RCIを見ても形状が悪化しています。
イギリスでも「ノーディール・ブレグジット」(合意なき離脱)の可能性が高まったことで英ポンドが売られましたし、欧州通貨売りが強まった結果として米ドル高になった、ということかもしれません。
【参考記事】
●日本のBrexit報道は正確ではない!? ソフト・ハード・合意なき離脱の違いとは?
●合意なき離脱ならポンドは10~20%下落も。2度目の国民投票は?“クーデター”の噂も!?
■日経平均は約27年ぶり高値となる2万4000円台
日経平均も強いですね。約27年ぶりの高値となる2万4000円台。今年(2018年)前半に売っていた外国人の買い戻しが入っているようです。
(出所:Bloomberg)
これまで、日本株はアンダーウェイトだった分、買い戻そうとする動きも強くなるのでしょう。
消費増税に備えた補正予算への期待もあります。今年(2018年)は悲しい災害が多いですから、国土強靭化対策などで大型の補正が組まれるかもしれません。
明日、10月2日(火)には内閣改造もあります。フレッシュな人事になると日本株が買われやすいでしょうし、補正予算が具体化するまで日本株は強い地合いが続くのかもしれませんね。
■米ドル/円は特殊要因による上昇か否かを見極め
月足の一目均衡表が三役好転した米ドル/円は、いかがですか。
【参考記事】
●トランプ政権の対中通商政策で右往左往。米ドル/円が112円台まで上昇した理由は?(9月17日、西原宏一&大橋ひろこ)
27年ぶり高値の日経平均に比べると、米ドル/円は緩慢ですね。チャートを確認すると、8月21日(火)の110円割れから9月中旬以降の上昇で、114円手前まで上がってきましたが、ユーロ/米ドルが上がろうが関係なく、つまり、米ドル高、米ドル安に関係なく、一本調子の上昇です。
9月は日本企業の半期末でした。実需による特殊要因での上昇だったのか、日経平均とともに上がっていくのか――。下期入りの今週(10月1日~)は、慎重に確認したいですね。
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■クロス円が強い! 加ドル/円は窓を開けて急騰!
通貨インデックスを見ると、先週(9月24日~)は円が弱かったので、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は強いですね。
加ドル/円は、今日(10月1日)も窓を開けて急騰しています。NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉合意への期待がありますし、シェルや三菱商事などの企業連合による3.5兆円規模のLNG投資が合意したとのこと。実需も影響しているのかもしれません。
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上海株が下げ止まったことでオセアニア通貨も買い戻されていますし、「欧州通貨買い、資源国通貨売り」という流れに調整が入っているようです。
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■メイ英首相のスピーチに注目
原油高も進んでいます。WTI原油は先週(9月24日~)末、73ドル台へ。背景にあるのは、11月から始まるイランへの制裁による需給の逼迫懸念。
ひと昔前だと、原油高は株のネガティブ材料でしたが、シェール革命でアメリカが世界一の産油国に躍り出た今、原油高は米国株にとってプラス要因となっています。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
今週(9月24日~)は、下半期のスタートということで焦らず、慎重に流れを見極めたいと思います。
10月5日(金)には米雇用統計もありますが、注目は開催中の英保守党大会。最終日となる3日(水)、メイ英首相が演説を行ないます。
英ポンド/円は買われ過ぎの状態が続いていることもあり、演説の内容次第では急落する可能性もありそうです。
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(構成/ミドルマン・高城泰)
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