■米ドル/円は一時114円台。米利上げ終了は2020年か
9月25日(火)~26日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、市場の予想どおり、0.25%の利上げが行われました。
※FF金利誘導目標の上限を掲載
※FRBのデータを基にザイFX!が作成
声明文からは、金融政策が「緩和的」との文言が削除され、ドットチャートでは年内(2018年)あと1回、来年(2019年)は3回の利上げ見通しが示されました。
そして、2020年中に利上げが終了する見通しだったことから、市場参加者はハト派と受け取り、米ドル/円は112.55円まで下がりました。しかし、そこから切り返して、昨日(10月1日)は一時、114.05円まで上昇しています。
(出所:Bloomberg)
昨日(10月1日)、NAFTA(北米自由貿易協定)の見直しでカナダが米国と合意したことも、株式市場が堅調に推移し、リスクオンによって米ドル/円が上昇するのをサポートする形となりました。
【参考記事】
●日経平均は年内の2万5000円打診が確実! ドル/円は115.65円めざす?一方クロス円は…(9月28日、陳満咲杜)
●米国と他の先進国の金利差は今後も拡大。米ドル/円は押し目買いのチャンス狙い!(9月27日、今井雅人)
■NAFTA合意で加ドルは上昇を示唆!
NAFTA協議は、期限ギリギリでの合意でしたが、カナダが合意したことで、米ドル/加ドルは1.2880加ドルのサポートを下抜け、1.2780加ドルまで下落(米ドル安・加ドル高)しました。
(出所:Bloomberg)
これまでサポートされていた水準を、ギャップ(窓)を空けてブレイクしたこともあり、まだ加ドルは上昇(米ドル/加ドルの下落・加ドル/円の上昇)を示唆している状況です。
加ドル/円は一時、89.16円まで上昇しました。まだ上がるのではないかと思うものの、短期的には上昇スピードが速すぎる動きをしています。
【参考記事】
●加ドル/円窓開け急騰! クロス円が強い! 日経平均27年ぶり高値達成でドル/円は…(10月1日、西原宏一&大橋ひろこ)
(出所:Bloomberg)
■投機筋の豪ドル売り越しは、かなり偏っているけど…
CFTC(全米先物取引委員会)が発表するIMM(国際通貨先物市場)のポジション動向では、投機筋の米ドルに対する豪ドルのポジションが、約7.2万枚の売り越しに偏っています。
これは、過去の推移を見ても、かなり売り越しに偏っていると言える状況です。
※CFTCのデータを基にザイFX!が作成
ただ、円やユーロなどと違って、豪ドルはブレが大きく、IMMポジションはあまり参考にならないことも多いです。
【参考記事】
●IMMの危険水準は円10万枚、ユーロ15万枚、英ポンド10万枚だが、さらに確認すべきは?
たとえば、2015年3月10日(火)時点で、豪ドルは7.6万枚の売り越しに偏っていましたが、このとき、豪ドルの反発は一時的にあったものの、その後はさらに下落が続きました。
(出所:Bloomberg)
そのようなこともあり、豪ドルのIMMポジションは、あまり参考にはなりにくいのですが、ポジションが偏っていることは、気にかけておくべきかと思います。
■豪ドルの上昇に期待。買うなら対円が良い!
豪ドルと加ドルは、似たように動くこともあり、現在は加ドルが上昇しているため、豪ドルも上昇する可能性があるのではないかと考えています。
11月6日(火)の米中間選挙に向けて、トランプ大統領が中国への圧力を強めることになると思いますが、これが終われば圧力が緩和されると思われるため、豪ドルも反発しやすくなります。
【参考記事】
●米中間選挙前の米ドル/円は下がりやすい! 2000億ドルの対中関税は米国にも悪影響!?(9月4日、バカラ村)
テクニカル上で豪ドル/米ドルは、今年(2018年)に入ってから下降トレンドラインで上値を止めらえており、FOMCのときも、そのラインに上値を止められました。
(出所:Bloomberg)
このラインを越えるまでは、下降トレンドが継続と見なされ、トレードするのであれば売り方向ですべきですが、上記の理由からも、間もなくこの下降トレンドラインを越えてくるのではないかと考えています。
下降トレンドラインを越えることができれば、豪ドルの巻き戻しが期待しやすくなります。
株式市場が堅調に推移していることから、円キャリートレード(※)も期待できるため、豪ドル/円の方で、上昇を期待していけるのではないかと考えています。
(※編集部注:「円キャリートレード」とは、一般的に金利が非常に低い円で資金を調達し、それを相対的に金利の高い外貨に替えて運用する手法のことをいう)
(出所:Bloomberg)
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