昨日はアジア時間で中国株が反落した。前日に政府出動を期待して大幅高をしていただけに、中国株の反動は大きかった。ツラれて上がっていただけの実体のない日本株のほうも効果てきめんだった。
東京時間で日経先物は500円以上の大幅安となって、21000円台に突入することになった。最近はリスクに敏感でなくなってきているドル円だと言っても、さすがに20~30ポイントほどの下げに見舞われた。言うまでもなく、値幅は小さい。失敗したときのことを考えると、株価に合わせてポジションを作るほど、ドル円のショートメークは魅力的に映らない。
マーケットが気にしているのは、欧州序盤から始まるエルドアン大統領のスピーチだ。前もって予告してある通りに、「確たる証拠」を出してくるのか。それに対するアメリカとサウジの対応が見どころであった。そうした地政学的リスクの高まりを期待しての株売りは続いた。ドル円も下げたが、112.15あたりまでで、大台割れすらしなかった。
トルコの演説の結果はたいしたことはなく、ひじょうに政治的なものとなった。確たる証拠を出すことはせず、確信犯を名指しすることもなかった。実に生ぬるい内容になったのには、これでサウジに貸しを作ろうとした意図が見え隠れする。また証拠を出して犯罪の立証を避けたところに、アメリカへの配慮が垣間見える。
政治的には正しい振る舞いだったのだろうが、ポジショニングを先行させたマーケットにとっては失望となった。これを受けて市場はリスク回避の流れを止めた。株の下落も一服し、世界的に株価は戻りだした。ドル円もユーロ円も、いちおうの底打ちを演じることとなった。
ニューヨーク時間では企業決算に注目が集まる。キャタピラーやスリーエムの決算や収益見通しに失望感が出てきて、再び市場はリスクオフ。米国株は一段安に向かい、ドル円も112円台を瞬間的に割り込んだ。しかしここは売る気がしない。
ドル円の111円台では何度も跳ね返されている。むしろ体力があれば思い切って買い場となるべきところ。しかしニューヨーク終盤にかけて米国株は自律反発の展開となった。案の定、ドル円も値を戻してきている。
ここしばらくのところドル円は動きが貧しそうだ。111.70から112.70をコアレンジとして、ここから大きくはみ出すことはなさそうだ。今夜もいろいろとミクロ指標やマクロ指標が出てくるが、あまり端っこを追いかけたくないところ。
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