■今年1番の注目イベント、米中間選挙が迫る!
11月6日(火)は、米国の中間選挙です。結果がわかるのは、日本時間11月7日(水)となります。
今年(2018年)、1番注目されているイベントで、この結果次第で、金融市場の方向性が変わります。
今年1番の注目イベントとなる米中間選挙が11月6日(火)に実施される。バカラ村さんは、結果次第で金融市場の方向性が変わると予想しているが、果たして、どうなるのか… (C)Mark Wilson/Getty Images
市場では、上院は共和党、下院は民主党が過半数の議席を獲得して、ねじれ議会となるという予想が多数です。
そして、その場合、為替市場はほとんど動かない、という予想が多いです。
■市場の予想が偏ったときほど注意が必要…
下院で民主党が過半数の議席を獲得した場合、大勝すれば米ドル安に推移する可能性もありますが、民主党はインフラ投資には前向きなため、この影響による米ドル安は一時的ではないかと考えています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
先ほどお伝えしたとおり、為替市場は、ほとんど動かないという予想が多く、私もそのように思っていますが、市場の予想が偏ったときほど、実際の動きは、予想と異なるものになることもあるため、その点は注意が必要です。
あまり予断を持たずに、結果が出たあとの動きを確認したいと考えています。
■民主党が両院を制したらサプライズ! ドル安・株安に
少数派の予想は、両院で共和党が過半数の議席を獲得することです。
この場合は、米ドル高・株高ですが、金利も上昇するため、株価の上昇は続かず、それに連れて米ドルも、一本調子の上昇とはいかないと考えています。
さらに、中国への強硬姿勢も継続されることとなり、追加関税の影響も表れてくると思います。
両院で民主党が過半数の議席を獲得するという予想はほとんど無く、これが実現すると、サプライズです。
その場合は、米ドル安・株安となり、大きく動くことになります。
【参考記事】
●米中間選挙で金融市場はどう動くのか? さらなる株安で米利上げが止まる可能性も!?(10月30日、広瀬隆雄)
●米国株急落はヘッジファンドの思惑どおり! 米中間選挙のシナリオと相場の反応を予想(11月1日、西原宏一)
●111円台に機関投資家の大量の買いが!? 日銀展望レポートでなぜ円高懸念は低下?(11月1日、今井雅人)
●イラン「幽霊船」が闇輸出!? 中間選挙は金利急騰に注意。ユーロ/ドルは買い方針!(11月5日、西原宏一&大橋ひろこ)
■中間選挙が終われば、トランプ大統領は再び中国に圧力!?
米中間選挙が終われば、月末(11月30日~)にG20(20か国・地域首脳会合)があり、米中首脳会談も予定されています。
11月2日(金)に、「トランプ大統領は貿易問題で中国との合意草案作成を指示」と報道されており、一時的に米中の貿易問題は緩和されていますが、これは、中間選挙を意識した発言。トランプ大統領は、中間選挙が終わると、米中首脳会談に向けて、再び中国へ圧力をかけてくると思われます。
今は米中間選挙に向けたトランプ大統領のリップサービスで米中の貿易問題は緩和されているが、バカラ村さんは中間選挙が終われば、月末の米中首脳会談に向けて、再び中国へ圧力をかけてくると予想している (C)Bloomberg/Getty Images
【参考記事】
●なぜ、トランプ発言に反応しなくなったのか? 対主要通貨でドルは高値目前。目先調整も(10月30日、バカラ村)
■米ドル/円はテクニカル的には強いけど…
とにかく今は、米中間選挙の結果を見極めたいと考えていますが、ここで米ドル/円の動きを見てみると、10月26日(金)に、10月15日(月)安値111.62円を下抜けて111.37円まで下がったものの、その水準を維持することができず、現在は113円台前半で推移しています。底堅さのあるチャートの形です。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
さらに、エリオット波動論では、現在、3波目とカウントすることもでき、テクニカル的にも、米ドル/円は強い状態となっています。
(出所:Bloomberg)
ただし、米ドル/円はチャートでは強いものの、先ほど指摘したように、米長期金利が上昇すれば株価の上値が重くなり、それに連れて米ドル/円の上値も重くなりやすいのではないかと考えています。
したがって米ドル/円は、横ばいが続きやすい状況と言えるのではないでしょうか。
■豪ドル/円の買いに妙味。9月高値超えてさらなる上昇も!
最後に、豪ドルについても触れておきましょう。
以下は、豪ドル/米ドルのチャートですが、年初からの下降トレンドラインを越えてきていることがわかります。
(出所:Bloomberg)
米ドル/円は横ばいではないかと思うものの、チャートが強い形を示唆していることを考慮すると、豪ドル/円については、押し目買いで良いのではないかと考えています。
11月29日(木)には米中首脳会談が予定されており、再び中国へ圧力がかけられると思いますが、ここまでも豪ドルは底堅い動きが続いてきました。
このことから、豪ドル/円は、まず、9月の高値82円台半ばがメドとなり、さらに今後、そこも越えていくことが期待できるのではないかと考えています。
(出所:Bloomberg)
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