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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

予想どおりの米中間選挙後、米国株急騰!
Brexit楽観報道で英ポンドの反発に要警戒

2018年11月08日(木)14:35公開 (2018年11月08日(木)14:35更新)
西原宏一

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■米中間選挙は上院・共和党、下院・民主党で予想どおり

 みなさん、こんにちは。

 注目の米中間選挙は、コンセンサス通りの結果(上院は共和党、下院は民主党の勝利)で終了しました。

【参考記事】
米国株急落はヘッジファンドの思惑どおり! 米中間選挙のシナリオと相場の反応を予想(11月1日、西原宏一)

 この結果を受け、民主・共和両党から勝利宣言が出される展開。

 トランプ大統領は、上院で共和党が過半数よりも、さらに議席を増やしたことを「歴史を書き換えた」と自画自賛しています。

トランプ大統領は上院で共和党が過半数よりも議席をさらに増やしたことを自画自賛していたという   (C)Mark Wilson/Getty Images

米中間選挙の結果を受けて、トランプ大統領は、上院で共和党が過半数よりも、さらに議席を増やしたことを自画自賛 (C)Mark Wilson/Getty Images

 一方、下院を奪回した民主党では、下院議長に就任する可能性が高いペロシ議員が、ホワイトハウスとの対決姿勢を鮮明にしています。

 個人的には、トランプ大統領は、うまく中間選挙を乗り切ったととらえていますが、日本のメディアは「ねじれ」を取り上げ、ネガティブな表現が多いのに少々ビックリ。

■米国株の急反発がトレンドになるかを見極め

 話題をマーケットに戻すと、過去のコラムで何度かご紹介させいていただいたように、米系ヘッジファンドは米中間選挙前、つまり、10月の「米国株の調整」を予測し、ヘッジをかけていた模様。

 結果は彼らの想定どおり、米国株は中間選挙前に急落しました。

【参考記事】
米国株急落はヘッジファンドの思惑どおり! 米中間選挙のシナリオと相場の反応を予想(11月1日、西原宏一)

 では、米中間選挙後の相場はどうなるのか?

 米中間選挙後という意味では、本稿執筆時点では、まだ1日しかたっていませんが、11月7日(水)の米国株は急騰。

NYダウは2.13%、ナスダック総合指数は2.64%と大幅に反発しています。

NYダウ 日足
NYダウ 日足

(出所:Bloomberg)

ナスダック総合指数 日足
ナスダック総合指数 日足

(出所:Bloomberg)

 これは、前述のヘッジファンド勢の利益確定の意味合いもあるため、当然の反発とも言えます。

 この米国株の反発が、ショートポジションの利益確定の買い戻しだけではなく、トレンドになり得るのかどうかは、今週(11月5日~)後半の米国株の動向を確認したいところ。

■11月対米ドル騰落率では英ポンドが大きく上げる

 為替市場に視点を移すと、10月は株下落によるリスクオフの展開で、「米ドル高・円高」の相場となり、ユーロ/円を中心としたクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は急反落しました。

 ただ、このステージにおいても、ユーロ/米ドルは1.1300ドルのバリアをブレイクできず、8月15日(水)に到達した安値とほぼ同じレベルで反発。米中間選挙前から反発しています。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足

 加えて、ユーロ/米ドル以上に米ドルに対して反発している通貨があります。

 それは、英ポンド/米ドルです。

 以下は、今月(11月)の対米ドルの通貨別騰落率です。

対米ドル騰落率(11月1日~8日東京時間まで)

(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部が作成)

 今月(11月)に入っての英ポンドは、NZドル、豪ドルに次いで、大きく値を上げています

■英ポンド/米ドルはダブルボトム形成後に反発

 では、英ポンド/米ドルの流れをチャートで確認します。

 以下は、英ポンド/米ドルの日足チャートです。

英ポンド/米ドル 日足
英ポンド/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 日足

 10月の英ポンド/米ドルは、「合意なきBrexit(英国のEU離脱)」懸念が拡大し、ずるずると値を下げる展開でした。

 10月30日(火)には、1.2696ドルの安値まで下落しています。

 この1.26ドル台というのは重要なレベルであり、8月15日(水)に到達した1.2662ドルの安値まで届かず、反発している展開です。

 8月15日(水)というのは、多くの通貨にとって転換日となっています。ユーロ/米ドルも、8月15日(水)に1.1301ドルまで到達し、その後、そのレベルをブレイクすることなく反発しました。

 つまり、英ポンド/米ドルは10月後半に1.26ドル台でダブルボトムを形成して、11月は大きく値を上げている展開。

英ポンド/米ドル 週足
英ポンド/米ドル 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 週足

■英ポンド上昇はBrexitに関する楽観的な見方が要因

 これは、今月(11月)に入ってからBrexitに関する楽観的な見方が拡大していることが要因となっています。

 たとえば、下記の記事。

メイ首相にEU譲歩、離脱後も英全土が関税同盟に残留-タイムズ紙

英国のメイ首相が欧州連合(EU)離脱後も英国全土が関税同盟に残ることで、EUから譲歩を取り付けたと、日曜紙サンデー・タイムズが情報源を明示せずに報じた。英領北アイルランドの国境にハードボーダー(物理的壁)設置を回避する道筋が付けられたという。

出所:Bloomberg

今月に入ってからBrexitに関する楽観的な見方が拡大していて、英ポンドもポジティブな報道に反応して大きく値を戻しているという (C)WPA Pool/Getty Images

今月に入ってから、Brexitに関する楽観的な見方が拡大。英ポンドも、ポジティブな報道に反応して大きく値を戻しているという (C)WPA Pool/Getty Images

 ここでのポイントは、マーケットの反応です。

 先月(10月)までの英ポンドのマーケットは、Brexit関連のポジティブな話題が出ても反発は一時的で、早晩、下落トレンドに戻っていました。

 ただ、今月(11月)に入ってからの英ポンド/米ドルは、ポジティブな報道に大きく反応する傾向があり、そのため、月初の1.2766ドルというレベルから大きく値を戻しています

 これは、先月(10月)まで、ポジティブな報道が出ても反応せず、ずるずると値を下げていた豪ドルが、今月(11月)に入って、大きく値を戻しているのと似ています。

豪ドル/米ドル 日足
豪ドル/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足

 米中間選挙後、米国株が戻しているのも「米ドル安・円安」で、英ポンド/米ドルにポジティブな要因

 本稿執筆時点では、ユーロ/米ドルの1.1500ドルに巨大なオプションが残存しており、上値を抑えています。しかし、このオプションは、今週(11月5日~)中に、かなりのポジションが行使期限を迎えるため、ユーロ/米ドルの上値を抑えている要因の1つが消滅します。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足

 米中間選挙という不透明要因は消滅

 Brexitに対する楽観的な報道が目立つようになった英ポンド/米ドルは、1.3700ドルに向けて反発するのではないでしょうか?

 じわじわと上値を伸ばしている、英ポンド/米ドルの動向に注目です。


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