■上海株は3000の大台を回復。戻しの強さは想定以上!
株も為替も強いですね。週末になって米中貿易協議の合意が近いと、ウォール・ストリート・ジャーナルやブルームバーグが相次いで報じた影響でしょうか。
特に強いのが上海株。昨年(2018年)、節目の3000を割ってから2500割れまで一方通行で下げていきましたが、今日は3000の大台を回復。
昨年(2018年)1月高値と今年(2019年)1月安値で引いたフィボナッチの半値が3014前後ですが、今日のザラ場でここも超えてきました。
戻しの強さは想定以上。極端に悪化していたセンチメントが巻き戻しているだけだとは思うのですが。

(出所:Bloomberg)
買い戻しの動きや中国政府によるバラマキ政策、それに先々週(2月18日~)お伝えしたMSCI指数への組み入れ比率引き上げの詳細が出てきたことなども後押ししているようです。
米中首脳会談が3月27日(水)頃に開催との報道も出てきました。中国の実体経済が改善して中国株が買われているわけではないようですが、リスクオン的な相場は続くのでしょうか。
【参考記事】
●米中合意が近づき上海株が強烈に反発! 対米ドルでの豪ドル買いがいいワケは?(2月18日、西原宏一&大橋ひろこ)
合意への期待で買われている相場ですから、期待が続く間は買われるのでしょう。
実際に合意がなされれば利食い売りで「セル・ザ・ファクト」となる可能性がありますが、米中首脳会談が3月27日(水)なら、それを考えるのは、まだ早いかもしれません。
■本邦機関投資家の買い遅れが目立っている
明日3月5日(火)から全人代(全国人民代表大会)が始まります。
注目は経済成長率の目標。これまで6.5%前後でしたが今年(2019年)は引き下げの見通し。6%との予想もありますし、「6%から6.5%」といったようにレンジ目標にするのではとの記事も出ています。
上海市場の反応に注目ですね。
米ドル/円の年初からの動きを振り返ると、1月3日(木)のフラッシュクラッシュで104円台まで下落したのを見て、本邦機関投資家は、まず、107.50円で買い注文を持ち込んできました。
ところが、買えないままに米ドル/円が下値を切り上げてしまったので、オーダーを108円、108.50円と切り上げていき、先々週(2月18日~)には110円台まで上がってきた。買い遅れが目立っています。
【参考記事】
●フラッシュ・クラッシュで米ドル/円が暴落! 株の下落を伴えば、100円割れの可能性も!?(1月7日、西原宏一&大橋ひろこ)
●フラッシュ・クラッシュの真犯人はトルコリラ!? クラッシュ時もスプレッドが優秀なFX会社は?
●フラッシュクラッシュのロスカット等未収金は過去3番目の規模! 25%がくりっく365から発生

(出所:Bloomberg)
2月28日(木)に発表されたアメリカのGDP(国内総生産)は、予想よりも強い数字でした。米10年債利回りも三角保ち合い上抜けのチャートとなっています。こうしたことも、米ドル/円を下支えしているようですね。

(出所:Bloomberg)
米中貿易交渉が終われば日米交渉が始まり、為替条項で円高へというのがコンセンサスでしたが、これで落ちないということであれば、シナリオの修正が必要なのでしょう。
米中合意期待でリスクアセット(リスク資産)を買い戻す動きが続くのなら、米ドル/円は底堅く、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)を中心に円安となるのかもしれません。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
(次ページでは、連日続く各国中銀会合やクロス円の見通しの話題が…)
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