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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米IPOラッシュでリスクオフになるヒマなし!?
目先はくよくよせず、円安トレンドに乗れ!

2019年04月12日(金)17:16公開 (2019年04月12日(金)17:16更新)
陳満咲杜

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■米IPOラッシュ、リスクオフムードになっているヒマがない!?

 英国のEU離脱の「お騒がせ」は、永遠に続くように思われ、また、米中貿易協議もいつまで続くか読めなくなってきたが、市場は落ち着いてきた上、均衡を保とうとしているようにみえる。

 為替市場における均衡は、さまざまな市況が想定されるが、リスクオンのパターンなら最も確実視されるのが、「米ドル全体は高値圏を維持、円は売られる」という状況ではないかと思う。目下の状況はまさにこのとおりだ。

 米国株は堅調であるものの、そこにいろいろなリスク要素はあって、引き続き市場が撹乱される恐れは大きいものの、総じて米ドル全体(ドルインデックス)は高値圏で保ち合いを継続、円は売られる傾向にある。

NYダウ 日足
NYダウ 日足

(出所:Bloomberg)

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足

(出所:Bloomberg)

 米国株堅調のわけは、米利上げいったん停止のほか、足元で進行しているIPO(新規公開株式)ラッシュを見逃せない。

 米配車サービス2位のLyftの上場に続き、米UberやAirbnbなどユニコーン企業の上場を控えており、米株式市場は現在活況に包まれている

 こんな時に、ブレグジットやら米中対抗やらを危惧したり、リスクオフに傾いたりしている「ヒマ」がない、という言い方をしても大袈裟ではなかろう。

 言ってみれば、今の市場は強気スタンスを必要としているから、諸外部要素がもたらすリスクはいったん軽視されるはずだ。

ウォール街の理屈は、巷の理屈と本質的に違う。因果関係におけるロジックには根本的な違いがあるだろう。ゆえに、巷の常識をもって相場は測れないと悟るべきだ。

■米ドル/円はロジックどおり大幅切り返し

 繰り返し指摘してきたように、米ドル全体が高値圏で保ち合いを維持する場合、米ドル/円はクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の堅調とともに上昇しやすい

 昨日(4月11日)の米ドル/円の大幅切り返しは、このロジックを証左した直近の好例だとみる。

 4月8日(月)から連続3日反落したものの、反落自体が途中のスピード調整と見なされ、仮に「深押し」があっても限度があると思われ、いずれブル(上昇)基調に復帰できると見込んでいた。

 そのロジックに関しては、4月10日(水)のレポートをもって詳説したので、以下の内容をご参照いただきたい。

米ドル/円 日足(4月10日作成、クリックで拡大)
米ドル/円 日足(4月10日作成、クリックで拡大)

(出所:FXブロードネット

 ドル/円は3月25日からV字型回復を果たし、一旦3月20日(1)高値111.69のブレイクを果たし、上昇波への復帰を示唆した。同日は弱気「リバーサル」のサインを点灯したから、その後の深押しをもたらしたわけ。ゆえに、同日高値の一旦更新自体をひとつのサインとみる。

 ゆえに、目先を含める反落、途中のスピード調整と見なし、自ずと限られるでしょう。昨日の大陰線、安値をもってGMMAチャートにおける長期組のサポートゾーンを一旦トライ、また3月安値を起点とした全上昇幅の38.2%FIBO押しの水準を試したから、これから続落を回避できれば、調整自体が早期完成される可能性は大きい。

 更なる押しがある場合、3月安値を起点とした全上昇幅に対する半分押しや同61.8%FIBO位置が目安として測れる。前者は110.76前後で4月1日(3)安値と整合性を示し、後者は3月29日安値と合致だが、前者のほうがより重視されるでしょう。同日の大幅続伸をもってGMMAにおける「トビウオ」のサインを点灯したから、より大きな役割を果たす見通し。

 もっとも、3月28日(2)のサインはもっとも重要であった。同日の「スパイクロー」や強気「リバーサル」のサインに鑑み、理論上同日安値110.02を割らない限り、ブル基調の崩れがないから、目先ハードルは高い。押し目のスタンスを維持しておきたい。

 現時点の米ドル/円は、下のチャートのとおり…

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