■イスタンブール市長選挙、やり直し決定!
トルコの首都アンカラにあるYSK(高等選挙管理委員会)は、5月6日(月)にイスタンブールの市長選挙のやり直しを命じました。
新しい選挙日は、6月23日(日)になりました。
3月31日(日)の市長選挙に勝利したトルコ最大野党のCHP(共和人民党)のイマモール候補は、4月17日(水)に市長に就任したばかりでしたが、この結果を受け、彼の就任指令が取り消しになり、イスタンブール市は、選挙まで政府が任命した代理人によって運営されることになりました。
【参考記事】
●イスタンブール市長選挙が泥沼化…。選挙やり直しの有無がトルコリラの鍵に!?(4月17日、エミン・ユルマズ)
事の発端は、3月31日(日)のイスタンブール市長選挙において、イマモール氏が僅差で勝利したことにあります。
選挙結果を不服とする与党のAKP(公正発展党)は、最初に票の再カウントを求めました。
しかし、再カウントをしても結果が変わらなかったので、今度は一部の選挙区における不正を訴えました。YSKはこの訴えを認め、選挙のやり直しを決定しました。
■トルコリラは対米ドル、対円で大きく下落
再選挙の判断を受け、トルコリラは対米ドル、対円で大きく下がっています。
トルコ中銀は、4月に年末の米ドル/トルコリラ予想を6.20リラと公表したばかりですが、すでに6.16リラ台まで上昇しており、今月(5月)内に6.20リラを超える可能性が高いと考えます。

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
選挙のやり直しに加え、米中貿易戦争の再燃で、世界的にリスクオフムードが高まっています。マクロ環境はトルコリラだけではなく、他の新興国通貨にとっても厳しくなってきています。
【参考記事】
●トルコ中銀のトルコリラ相場予想は楽観的? 原油上昇はトルコリラにとって悪材料(4月24日、エミン・ユルマズ)
トルコリラにとって最悪のシナリオは、野党・CHPが再選挙をボイコットすることでした。野党がボイコットすれば、トルコの政治情勢がベネズエラのようになるという危険性があったからです。
しかし、野党は再選挙に臨むと発表していて、テンションは、若干和らいでいます。また、ストリートデモが多発することも懸念されましたが、一部の小規模なデモを除けば大きなストリートデモは起きていません。
6月23日(日)の選挙については…
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