■日経平均をチャート分析してみると…
「株安・円高」相場の中、日経平均をチャート分析してみます。
以下は、日経平均の日足チャートです。
(出所:Bloomberg)
昨年(2018年)の10月2日、2万4448円の高値に到達した局面に注目してください。
ギャップアップした後、ギャップダウンして、急落しています。
つまり、日経平均が2万4448円に到達した局面は「離れ小島」に取り残された高値となり、その後、急落しています。
このチャート形状は、「アイランドリバーサル」(※)と呼称されています。
(※編集部注:「アイランドリバーサル」とは、窓を開けた後に相場が反転し、再び窓を開けて元の水準へ戻った際に形成される「離れ小島」の様な形のこと)
そして、4月24日(水)に到達した高値も同じ。
令和相場に向けてギャップアップして上昇していた日経平均ですが、5月8日(水)はギャップダウンしており、この高値(=2万2362円)も、再び離れ小島に取り残された形に。
加えて、200日移動平均線も割り込んでおり、上値を限定的にしています。
(出所:Bloomberg)
さらに、僕が参考にしているTDシーケンシャル(※)もトップアウトを示唆しており、4月24日(水)に日経平均は高値をつけて下落トレンドに入った可能性が高まっています。
(※編集部注:「TDシーケンシャル」とは、トーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)
■米国株、日本株ともにトップアウトした公算が高まる
一方、米国株も軟調。
NYダウは、昨年(2018年)1月、10月、そして今年(2019年)4月に2万6000ドル台で高値をつけ、反落。
これは、トリプルトップとなる可能性を示しています。
【参考記事】
●米中貿易摩擦再燃で米国株は調整入り…。NYダウ続落なら、米ドル/円は105円方向へ(5月9日、西原宏一)
加えて、4月の米国株相場は、ナスダック総合指数とS&P500指数が史上最高値を更新。
しかし、NYダウは高値を更新できず、これは弱気のサイン。
(出所:Bloomberg)
結果、米国株も日本株も先月(4月)から今月(5月)にかけて、トップアウトした公算が高まっています。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
こうしたチャートが示すように、米国株、日本株ともトップアウトして続落するのであれば、為替相場では「円高トレンド」が続くことになります。
引き続き、「運用難に陥っている」本邦機関投資家は、米ドル/円の「押し目」では米ドル買いを繰り返していることから、今週(5月20日~)の米ドル/円は一時、110円台ミドルまで反発していますが、日経平均の上値が限定的であれば、米ドル/円の上値も限定的。
加熱する米中貿易戦争を背景に、「株安・円高」相場が継続。
105円に向けて下落中の米ドル/円の動向に注目です。
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