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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米国からの圧力で急減速する中国経済!
利下げ予測もある豪ドル/円は70円へ…!?

2019年05月16日(木)15:08公開 (2019年05月16日(木)15:08更新)
西原宏一

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■中国経済の減速が止まらない…

 みなさん、こんにちは。

 「令和」に入ってからのマーケットは、リスクオフ環境から抜けられない状態が続いています。

 その背景には、治まることのない米国からの圧力により減速する中国経済が、グローバル経済の不透明感を増していることがあります。

 中国から発表される経済指標も、悪化の一途をたどっています。

4月の中国新車販売14%減、減税でも歯止めかからず

中国汽車工業協会は13日、4月の新車販売台数が前年同月比14.6%減の198万500台だったと発表した。10カ月連続で前年実績を下回った。2ケタの減少は2カ月ぶり。

出所:日経新聞

 米中貿易戦争が深刻化する中、中国経済の減速は予想されていたことです。

【参考記事】
米中貿易摩擦再燃で米国株は調整入り…。NYダウ続落なら、米ドル/円は105円方向へ(5月9日、西原宏一)

 しかし、4月に関しては新たな減税策により、新車販売台数は急増することが期待されていたにも関わらず、減税でも減速に歯止めかからなかったことがマーケットに衝撃を与えました。

 しかも、トランプ大統領が関税引き上げに言及したのは5月6日(月)であり、4月はどちらかといえば、米中関係は改善傾向にあったはずなのですが、発表された数字は大幅に減少。

【参考記事】
トランプ砲で米ドル/円は窓開けスタート!米中交渉決裂なら米国株は総崩れに…!?(5月6日、西原宏一&大橋ひろこ)

 この点からいえば、5月6日(月)にトランプ大統領が「関税引き上げ」について言及してからの中国経済のセンチメントはさらに悪化していると思われ、中国経済はマーケットのコンセンサスを超えて悪化していることが懸念されています。

■米国の関税引き上げに中国は徹底抗戦も分が悪いか

 度重なるトランプ大統領の関税引き上げという圧力に対して、中国は報復関税という手段に出ます。つまり、徹底抗戦というスタンスを取っています。

 これは、他国からの圧力には屈しないという、いつもの中国のスタンス。

中国、海外からの圧力に屈することはない=外務省報道官

出所:ロイター

トランプ大統領の関税引き上げに中国は徹底抗戦のスタンスを取っているが分が悪そうで…。写真は2017年11月の米中首脳会談時のもの (C)Bloomberg/Getty Images

トランプ大統領の関税引き上げに対し、中国は徹底抗戦のスタンスを取っているが、分が悪そうで…。写真は2017年11月の米中首脳会談時のもの (C)Bloomberg/Getty Images

 しかし、中国にとっての米国は、多くの中国製品を買ってくれる重要な顧客であるはずです。

 大切な取引先と大きなトラブルを引き起こし、その闘争に勝てるものなのでしょうか?

 一般的には「NO」だと言わざるを得ません

 ただ、考え方を変えれば、中国は米国からの要求に、おいそれと「YES」と言えない状況にあることも確かです。

 たとえば、中国が企業に出している…


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