
■ベテラントレーダーが懐かしむ「ハイレバFX全盛時代」
「あのころは100倍、200倍のハイレバで取引できたから資金を増やしやすかった」
ベテラントレーダーに取材すると、そんな話になることが多い。
FXのレバレッジは現在、最大25倍。株の信用取引だと倍率は3倍強、仮想通貨の証拠金取引だと4倍が上限だから、25倍でも十分に高水準ではあるのだが、とくに少額の資金を短期間で大きく増やしたい時、25倍以上のハイレバはたしかに魅力的だ。

日本でレバレッジが規制される以前、100倍や200倍のレバレッジはザラだった。
レバレッジ20倍とレバレッジ100倍でどのくらい資金効率が違うのか、ごく単純なケースで計算したのが以下のグラフだ。

「10銭の勝ち→10銭の勝ち→10銭の負け」と2勝1敗ペースで100回トレードしたとすると、10万円の資金はレバレッジ20倍なら17.7万円になるが、レバレッジ100倍だと122万円へと急増する。
損切りを着実に行なえる人にとって、損切りの逆指値がしっかり約定してくれる環境さえ用意できればハイレバは心強い味方になる。
■無登録海外FX業者の甘いワナにご用心
ところが、焦ってハイレバで取引しようとすると、待っているのはトラップだ。
ツイッターなどのSNSでは、「○○ならレバレッジ888倍!」、「ビットコインはレバ4倍だけど為替FXなら500倍!」といった情報が散見される。
こうした情報には、さらに「入金ボーナス100%」、「口座開設で1万円のボーナス」といった一見、魅力的と思える文句も続くことが多く、つい食指が動いてしまうが、その前に少し考えてみよう。
500倍、1000倍といった超ハイレバと、「入金額と同額をキャッシュバック」といった破格のボーナスを提供するのはすべて海外FX業者だ。
■「ハイレバ+ボーナス」は海外FXのサイン
「ハイレバ」と「破格のボーナス」、2つの条件がそろったら、「あ、海外業者だな」と警戒しよう。
海外FX業者のすべてが悪徳ではないが、日本に住む日本人を相手にFXを取引させるには日本の金融当局への登録が必要。無登録で営業を行なえば違法となるのはあきらかだ。
そのため、SNSでよく見かける海外FX業者に対しては、軒並み、金融庁から警告書が発出されている。

(出所:金融庁ウェブサイト:「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」)
■高額ボーナスに課される制約、出金拒否もある
海外FX業者を利用したからといって罰則があるわけではないが、日本のFX会社を利用した場合には想定せずに済むようなリスクを背負うことになる。
どんなリスクがあるのだろうか?
ひとつは「思っていたようなボーナスがもらえない」リスクだ。一見、魅力的に見える海外FX業者のボーナスだが、ボーナス分の出金には制約がつくことがほとんどだ。
多いのは「証拠金としては使えるが、ボーナス部分の出金はできない」といった条件だ。証拠金として利用し、利益が出た部分は出金可能とうたっているわけだが、そんな場合だって安心できない。
出金拒否や口座凍結など、取引の利益や預けたお金を戻せなくなるトラブルが、海外FX業者では頻発しているからだ。
「取引約款に違反する取引を行なったから」、「禁止されているスキャルピングを行なったから」など、出金を拒む理由はさまざまだが、こうなってしまうと返金されるのは難しい。
海外FX業者を利用していた場合、日本の法律が及ばないのが原則だから、金融庁や国民生活センターなどは頼りにならないし、実態が定かではない会社が相手なので弁護士を介したところで実りある交渉は難しい。
■国民生活センターも海外FX業者を警戒している
こうした海外FX業者を巡るトラブルに対しては、国民生活センターのウェブサイトにも情報が多く掲載されている。
海外FX業者の信頼性を確認する方法が、とても具体的に書かれているので抽出してみよう。
・金融庁の「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」に名称の記載がないかを確認する
・インターネット上の評判が参考になる場合も。「www.xxxx.com(サイトURL)+scamまたはfraud」などで検索する。英語の場合も自動翻訳でおおよその評価がわかる
・所在地や電話番号の記載、ライセンス取得の有無などを確認する
・住所の記載があったら、グーグルマップなどを使って私書箱や郵便局留めではないかを確認する
・キャンペーンに安易に釣られないようにする
(出所:国民生活センター)
■スキャム業者の魔の手からは逃れられない!?
上記のような確認作業を行なっても、スキャム(詐欺)業者から完全に逃れることはできないし、「美味しい」キャンペーンを設定している業者ほど「利用者=カモ」にしがちだから、「ストップ狩り」のような不正なレート操作を行なう可能性も高まる。
信用に足る業者かどうか、FX会社のクチコミ評価サイトで評判を調べ、ウェブサイトでどこの国で営業ライセンスを取得しているのか確認し、本当にライセンスを持っているのかを金融当局のウェブサイトで検索し、グーグルマップで所在地を確かめて――と、これだけの作業を重ねても、トラブルが多いのが海外FXの世界。
海外FXの世界は決して初心者向きではない。では、日本人がハイレバでFXを取引する方法はないのだろうか――。
■リスクと利益獲得チャンスのバランスが良い商品がおすすめ
海外FX業者のリスクを取らなくても、リスク限定である程度の高収益を得ることが可能な商品がある。それがIG証券のノックアウト・オプションだ。
【参考記事】
●自腹で検証! 新型・為替商品の実態は!? 圧倒的な“資金効率”と“リスク限定”が魅力

ノックアウト・オプションでは株価指数やコモディティ(商品)も取引できるが、為替については通常のFXと同様に、14種類の主要通貨ペアが取引できる。取引量は「ロット」単位で指定し、「1ロット=1万通貨」。1ロットの取引で10pips幅の利益となれば金額は1000円となる。

※スプレッドはすべて例外あり。原則固定は午前9時~翌3時まで。
ここまではFXとまったく同じだ。ただ、大きく…
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