■米雇用統計後の動きはいったん収束。FOMC待ちへ
さて、足元の金融市場に目を向けてみます。
先週末(6月7日)、米国の5月雇用統計において、非農業部門の就業者数の伸びが予想を大きく下回ったことで、金利低下、米ドル安という展開となりましたが、その後、市場は落ち着いています。
(出所:Bloomberg)
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落ち着いているというよりは、様子を見ているという方が、正確かもしれません。
来週(6月17日~)は、18日(火)~19日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。
今回の会合で利下げが決定されることは、さすがにないとは思いますが、現在、市場では7月のFOMCで利下げがあるのではないかという観測が流れているので、来週の会合で、どういう議論がされるのかに注目が集まっています。
【参考記事】
●市場の米利下げ織り込みは過剰すぎる! 当面は米ドル安・円高の揺り戻し相場か(6月6日、今井雅人)
●6月に米利下げなら大きなサプライズ! 米ドル/円は109円台乗せで売っていいかも(6月10日、西原宏一&大橋ひろこ)
●米利下げ、年内2回は織り込み済みか! 米ドル/円は107.75円を抜けると104円台へ(6月6日、西原宏一)
●年内2回の米利下げ予想!? リスク回避から米ドル安に。ユーロ/米ドルは1.15ドルへ(6月4日、バカラ村)
■米中の交渉決裂なら米ドル/円は105円割れ!?
それと、何といっても、米中貿易交渉の行方でしょう。
メキシコに対して関税をかけるという話は、実業界からの強い反発で撤回しましたが、対中国は、そういうわけにはいきません。
6月28日(金)~29日(土)に、大阪で行われるG20サミット(20か国・地域首脳会合)の場で、米中首脳会談が実施されるのか、市場関係者も固唾を飲んで見守っています。
【参考記事】
●米ドル高でも米ドル/円は、なぜ上昇しない? 米中貿易交渉に中国が秘密兵器を投入!?(5月30日、今井雅人)
この交渉が決裂して、米国が追加関税に踏み切れば、リスクオフから円高が進行することになると思っています。
米ドル/円が105円を割り込んでいく可能性も、否定できません。
(出所:TradingView)
■2大注目イベント控えて、当面はレンジ相場か?
以上の2つが、当面の注目材料になってくると思うので、それまでは方向感の出ない状況が続くと考えています。
米ドル/円は107~109円、ユーロ/米ドルは1.12~1.14ドル程度のレンジを、想定しておきたいと思います。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
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