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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米中首脳会談後、米ドル/円は下落再開へ。
依然として、100円に向けた下落過程にあり

2019年06月27日(木)17:27公開 (2019年06月27日(木)17:27更新)
西原宏一

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■G20サミットでの米中首脳会談に注目

 一方、トランプ大統領は、G20サミットでの習近平主席との会談後に貿易合意に関して進展がない場合、中国製品に「大規模な追加関税」を課すとコメント。

 ロス商務長官は、トランプ大統領による追加関税の警告は「はったりではない」と念を押しています。

 また、中国に対してプランB(次善の策)があるとも語り、「月間ベースで巨額のお金を収集し、中国とのビジネスを徐々に減らすものだ」と説明。為替については、中国は「ピンポン玉のように通貨安に誘導している」と訴えた模様です。

 こうしたコメントから推測すると、「米国と中国が合意せず、米国が追加関税をかける」という可能性も残ります。

 さらに「米中が協議を続ける」というだけで、なんら具体性がなければ、来週(7月1日~)、株価が反落する可能性も高まってきます

■米中が合意しても米国株にはネガティブか

 こうした流れの中、仮に「米中がめでたく合意した」とすると、株は続伸する公算が高いのですが、その場合、次回のFOMC(7月30日~31日)の利下げはどうなるのでしょう?

 マーケットがすでに利下げを織り込んでいるわけですから、利下げしないと株の反落を招くため、0.25%だけ利下げしたとします。

 しかし、株が史上最高値をさらに更新していると想定すると、年内にさらに2回の利下げをするという予測は大きく後退すると思われます。

 これは、米国株にとってネガティブ。

NYダウ 日足
NYダウ 日足チャート

(出所:Bloomberg)

 違う見方をすれば、米中が合意せず、ただこれからも緊密に協議するという結論に終わり、株がいったん調整したほうがFRB(米連邦準備制度理事会)は連続利下げをしやすいとも言えます。

■米ドル/円は100円に向けての下落過程

 この点に関しては、米大手投資銀行のモルガン・スタンレーのストラテジストも、経済データの悪化が続いた場合、S&P500は第3四半期に10%下落して調整局面入りする可能性が高いと指摘。

 米中の貿易戦争がG20サミットで休戦となれば、株はいったん押し上げられる可能性はあるものの、景気減速を止めるには、米金融緩和でも不十分だとコメントしているようです。

 こうした背景からすれば、米中首脳会談を控えた今週(6月24日~)のマーケットがショートカバーで米ドル買い戻しに走って、米ドル/円が108円台まで戻している現在の局面は、米ドル/円のいい売り場を提供しているとも言えるかもしれません。

米ドル/円 1時間足
米ドル/円 1時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足

 米中貿易戦争がG20サミットで休戦となり、株がいったん押し上げられる可能性はあるものの、米国の景気減速を止めるには、米金融緩和でも不十分であるという見方も増えている中、米ドル/円の上値は限定的。

依然として104円台、さらには100円への下落過程にある米ドル/円の行方に注目です。


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