■「三尊底」を強化するような「スパイクロー」のサインも点灯
さらに、細かく見ていくとわかるように、7月3日(水)の安値は前述の「下落ウェッジ」の上限ラインの延長線を再打診していた。
(出所:FXブロードネット)
また、昨日(7月11日)のローソク足は、典型的な「スパイクロー」のサインを点灯し、前述の「三尊底」のフォーメーションを再強化しているか、再構築しているように見える。
こういったフォーメーションやプライスアクション上の視点で検証すれば、米ドル/円はこれから安値更新していくよりも、切り返しを継続する可能性が大きいのではないかと思う。
■クロス円は外貨の高安に左右される側面が大きい
主要クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の状況はバラバラであるが、米ドル/円の切り返しに照らして考えると、円高かどうかよりも、外貨の高安に左右される側面が大きい。
ドルインデックスに関しては、もしかしたら6月安値をもってすでに調整波動を完成させた、という可能性が大きいものの、「二番底」か「最初の押し」を形成してからブル(上昇)トレンドへ復帰する公算が大きい。
(出所:Bloomberg)
したがって、ユーロ/米ドルは仮に6月高値1.1414ドルをもって切り返しを完成したとしても、たちまちベア(下落)トレンドへ転換するのではなく、もう1回、200日移動平均線前後の上値打診を経てから動き出すのではないかとみる。
(出所:Bloomberg)
となると、ユーロ/円の保ち合いは、当面続くと思われるが、「底割れ」は回避できる見通しだ。
(出所:Bloomberg)
■豪ドル/円は下放れよりも上放れの可能性が高い
対ユーロの強弱で、主要外貨のうち、目先は豪ドル>ユーロ>英ポンドという関係が見られているから、豪ドル/円を取り上げてみれば、ヒントをつかめるのではないかと思う。
日足を見ればわかるように、6月安値を「ヘッド」と見なした「三尊底」の構造が鮮明になりつつあり、また、昨日(7月11日)のローソク足でその可能性が強化されている。
(出所:FXブロードネット)
昨日(7月11日)の陽線は、7月3日(水)の陽線と同様、強気「リバーサル」のサインを点灯して「ライト・ショルダー」を強化しているように見え、昨日(7月11日)安値前後におけるサポートを維持できれば、下放れよりも上放れの可能性が高いかと思われる。
つまるところ、相場はすでにサインを点灯しているものの、まだまだ初歩段階なので、円高の再来がもうないとは言い切れない。
とはいえ、すでに点灯されたサインを無視して、円高一辺倒、また円高ありきの発想や判断もリスキーだと言っておきたい。
今はブレイクが待ち遠しい気分だが、我慢強く相場をフォローしていくしかない。市況はいかに。
(11:20執筆)
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