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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

中東リスクと米中貿易戦争への懸念継続。
米ドル/円、豪ドル/円の戻り売りが良さそう

2019年09月23日(月)13:16公開 (2019年09月23日(月)13:16更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■金融政策よりも米中、有事リスクで動く相場に

先週(9月16日~)はFOMC(米連邦公開市場委員会)、そして日銀の政策発表がありました。FOMCは25bp(0.25%)利下げ、日銀は追加緩和に動かず、どちらも想定どおりです。

【参考記事】
ECBとFRBは金融緩和も日銀は動かず…米ドル/円は108円台半ばへ上昇後、反落(9月19日、西原宏一)

米政策金利の推移

※誘導目標レンジの上限を掲載

(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!が作成)

先々週(9月9日~)には、ECBが利下げや量的緩和などの包括的な追加金融緩和を決定し、米国と欧州は緩和方向。日本だけが現状維持ですから、相対的にホーキッシュ(タカ派的)となります。円高方向に動きやすくなるのでしょう

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足

(出所:Bloomberg)

FOMCでは年内の利下げ打ち止めの可能性も示唆されたことで、直後の反応は株安・米ドル高に。


ただ、週末間際に「中国代表団、米農家の視察を中止」とのニュースが出たことからリスクオフ的な方向で終わっています。金融政策よりも米中貿易戦争や中東の有事リスクに引っ張られる相場のようですね。

■米中貿易戦争は来年までもつれそう…

ECB(欧州中央銀行)は満額回答、FOMCも予想どおりとはいえ、もう少しボラティリティが出てもいいのですが、動かなかったですね。


やはり今の相場は米中貿易戦争、そして有事リスクが中心テーマなのでしょう。

米中絡みでは、米大統領選を意識して米中が「部分合意」するのではとの観測が高まりました。


ところが、トランプ米大統領が「部分合意ではだめだ」と全否定。「大統領選前に中国と合意する必要はない」とも話しています。来年(2020年)までもつれるのでしょうか。

このままではそうなってしまいますね。

10月1日(火)は中国の建国70周年記念イベントが控えています。それまでは、トランプ砲も出ないとは思うのですが……。

■高まる中東リスク。「原油は怖くてショートできない」

サウジアラビアの石油施設攻撃で一時急騰した原油価格はどうですか?

WTI原油先物 日足
WTI原油先物 日足

(出所:Bloomberg)

【参考コンテンツ】
NYダウや金にも直接投資できるCFD取引会社を徹底比較!

今のところ、大きなリスクオフ材料とはなっていませんが、関係者の間では原油に対して上方向の見方が増えています


サウジアラビアの鉄壁の防衛体制をおもちゃのようなドローンですり抜けられるのは衝撃だったようで、ある原油トレーダーは「怖くてショートできない」と。

原油が上がればオイルマネーは潤いますし、アメリカも世界最大の産油国でありとくに困らない。困るのは中国です。そう考えると、本当にフーシ派の反抗なのか、うがった見方をしたくもなりますね

犯行声明を出しているフーシ派ですが、「攻撃の相互停止を要請」との報道も出ています。これをどう解釈すればいいのか、判断が難しいですね。

■米ドル/円、豪ドル/円の戻り売りが良さそう

今週(9月23日~)の戦略はどう考えますか?

先週(9月16日~)の動きを振り返ると、週明け(9月16日)はサウジアラビアへの攻撃のニュースで東京勢がいない中、米ドル/円は107.50円割れへ。


そこから反転して、108.50円手前まで戻してから、米中がらみのニュースで再び107.50円を試す動きとなっています

【参考記事】
サウジ石油施設攻撃は「自作自演」も!? 供給障害の原油高はリスクオフ要因に…(9月16日、西原宏一&大橋ひろこ)

今年(2019年)の高値と安値の50%戻しが108.40円近辺。ちょうど真ん中まで戻したことになります。ここには輸出の売りがあるようで上値は重い。方向としては円高なのでしょう。

【参考記事】
ECBとFRBは金融緩和も日銀は動かず… 米ドル/円は108円台半ばへ上昇後、反落(9月19日、西原宏一)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

今週(9月23日~)は国連総会にあわせて、9月25日(水)に日米首脳会談が開催されます。


日米の貿易合意が今月(9月)中にも発表される見通しのようです。懸念された為替条項の話も出ていませんし、日本にとっては好材料ですね。

いずれにせよ、NYダウは2万7000ドル台で定着するこができず反落し、日経平均も昨年(2018年)来の高値と安値の61.8%付近で止められた展開


株価が下がれば、上値の重い米ドル/円も下がってくるのでしょう。米ドル/円、あるいは株価が下がるのであればクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)、とくにオセアニア通貨と円の通貨ペアでの売りでいいのでしょう。

世界の通貨VS円 日足
世界の通貨VS円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足

9月25日(水)はニュージランドの政策金利発表です。

今回は据え置きの見通し。利下げするとすれば11月でしょう。今週(9月23日~)は米ドル/円、あるいは豪ドル/円の戻り売りでいいと思います。

(構成/ミドルマン・高城泰)

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