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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

ECBとFRBは金融緩和も日銀は動かず…
米ドル/円は108円台半ばへ上昇後、反落

2019年09月19日(木)17:08公開 (2019年09月19日(木)17:08更新)
西原宏一

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■ECBとFRBは金融緩和に動いた

 みなさん、こんにちは。

 先週(9月9日~)から本日(9月19日)にかけては、ECB(欧州中央銀行)、FRB(米連邦準備制度理事会)、そして日銀と、重要な金融政策決定会合が開催されました。

 まず、先週(9月9日~)開催されたECB理事会。

中銀預金金利を0.1%引き下げてマイナス0.5%とし、11月1日(金)から月額200億ユーロの債券購入を再開すると発表。

 ECBは2019年と2020年の経済成長予測を下方修正し、2021年までのインフレ見通しを引き下げました。

 ドラギ総裁は、リスクは依然として下方向にあると指摘。

 ECBの債券購入の金額は、コンセンサスの300億ユーロまでとどかなかったのですが、基本、満額回答。

 結果、ゴールドマン・サックスを筆頭に、米系参加者が想定していたとおり、ECB発表後は「バイ・ザ・ファクト」で、ユーロは買い戻し優勢となりました。

9月11日~13日のユーロ/米ドル 1時間足
ユーロ/米ドル 1時間足

(出所:Bloomberg)

■FOMCでは2会合連続で利下げ決定

 次は、日本時間、本日(9月19日)未明に発表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)

 FOMCは、FF金利(※)の誘導目標レンジを1.75~2.00%に設定し、従来から0.25%引き下げました。利下げは、これで2会合連続となります。

(※編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)

米政策金利の推移

※誘導目標レンジの上限を掲載

(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!が作成)

 ただ、これはコンセンサスどおりで、問題は金融緩和が継続されるかどうかですが、その必要性を巡っては当局者の間で意見が割れているようです。

 今回のFOMCでは、前回に続き、カンザスシティ連銀のジョージ総裁とボストン連銀のローゼングレン総裁が金利据え置きを主張。

 一方、セントルイス連銀のブラード総裁は0.5%の利下げを主張。

 結果、ややタカ派なトーンで、米ドル/円は一時108.47円まで上昇。

 ただ、108.50円というのは、今年(2019年)の米ドル/円の高値(4月24日)と安値(8月26日)の50%戻し(=108.43円)のレベルであり、本邦輸出企業がまとめて米ドル売りを置いているというウワサもあって上げ渋り。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

■米ドル/円は108円台半ばで上値が重い

 そして、最後は本日(9月19日)の日銀金融政策決定会合となります。

 結果は、日銀は動かず、金融緩和策の現状維持を決定したのみ

【参考記事】
サウジ石油施設攻撃は「自作自演」も!? 供給障害の原油高はリスクオフ要因に…(9月16日、西原宏一&大橋ひろこ)

日銀は19日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和政策の現状維持を決めた。長期金利の誘導目標を「0%程度」、短期政策金利をマイナス0.1%に据え置く。

公表文では、2%の物価安定目標の達成に向けたモメンタム(勢い)が損なわれるおそれに「より注意が必要な情勢になりつつある」との文言を加え、物価の停滞に警戒を強めた。

出所:日経新聞

 この結果を受けての米ドル/円の反応は、先週(9月9日~)のユーロ/米ドルと同様。

 ECB(欧州中央銀行)は満額回答で、極めて大規模な緩和策を打ち出したのですが、前述のゴールドマン・サックスを筆頭に多くの参加者が緩和を織り込んでいたため、ユーロ/米ドルは、一時1.0927ドルまで急落するも、その後、1.1100ドルレベルまで反発

ユーロ/米ドル 4時間足
ユーロ/米ドル 4時間足

(出所:Bloomberg)

 今回の米ドル/円は、日銀金融政策決定会合に、わずかながら金融緩和の期待もあったことやFOMCの結果を受け、一時108.47円まで上昇。その後、開催された日銀金融政策決定会合での据え置きを確認して反落するという流れでした。

米ドル/円 30分足
米ドル/円 30分足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 30分足

 今年(2019年)の高値と安値の半値戻しまで到達し、上値が重くなった米ドル/円。

 ただ、このところの米ドル/円はクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)、特に、英ポンド/円の動向に大きな影響を受けます

 今回も、英ポンド/円が126.67円に到達し反発するのに追随し、米ドル/円も反発を開始していました。

■ECBやFRBと比較して、日銀はタカ派な印象

 その英ポンド/円ですが、米ドル/円と同様、9月18日(水)に135.66円に到達して反落しています。

英ポンド/円 4時間足
英ポンド/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 4時間足

 日銀は、次回会合で追加緩和期待を示唆するようなコメントをしてますが、ファンダメンタルズが変わらなければ何もしない可能性も高く、ECB、そしてFRBと比較すると、どうしてもタカ派の印象を与えてしまいます

 これは、円高要因になります。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

 他の主要中央銀行が金融緩和に動く中、日銀は動かず。

 結果、上値が重くなった米ドル/円の動向に注目です。


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