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米ドル/円は、新たなレンジで戻り売り!
中東情勢緊迫化は、短期で決着がつきそう

2020年01月07日(火)12:57公開 (2020年01月07日(火)12:57更新)
バカラ村

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■中東リスク高まり、米ドル/円は107円台へ!

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 昨年(2019年)12月後半、米ドル/円は、109円台での推移が続いていましたが、米ドル安の動きから、年末に109円を割り込みました。さらに、1月3日(金)に米軍が、イランの精鋭コッズ部隊のソレイマニ司令官の車列を空爆し、殺害したと発表したことで、リスク回避へ。

米ドル/円は、107.77円まで下落しました。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

 リスク回避のときに反応が大きくなる豪ドル/円は、74.73円まで下落

豪ドル/円 4時間足
豪ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

 中東情勢のリスクは、短期的に終わることも多いのですが、イランからの報復の警戒感もあって、しばらくは株式などを買いにくい状況が続くと思います。

【参考記事】
第3次世界大戦の危機!? 今はイラン情勢がすべて。ドル/円や豪ドル/円は戻り売りか(1月6日、西原宏一&大橋ひろこ)

■米ドル/円の上昇は、しばらく見込めない!?

 市場参加者は、イランの軍事報復の可能性は低いと考えているようですが、そうであっても、リスクを取れるような状況ではないため、株価などが上昇するのは難しいと思います。

 季節性からは、米ドル/円は1~2月は下がりやすい傾向にあることもあって、中東情勢リスクも重なり、米ドル/円の上昇も、しばらく見込めないと思います。

【参考記事】
米ドル/円は12月~1月から3年連続で下落! 2019年の上限は115円、下限は100円か(2018年12月25日、バカラ村)
ユーロ/米ドルに1.26ドルまでの上昇余地! 米ドル/円は季節的に上値が重い時期!?(2018年1月16日、バカラ村)

米ドル/円 月足
米ドル/円 月足チャート

(出所:TradingView

■大統領選を見据えて、短期で決着をつけるか

 ただ、この下げがいつまでも続くとも、考えてはいません。

 今年(2020年)は、11月に米大統領選があり、米国株の行方がトランプ大統領の再選に影響を与えることもあって、トランプ大統領も中東情勢の緊迫化は、短期間で終わらせてくると思います。

 米中の貿易交渉も、米国株に影響を与えていましたが、こちらは交渉条件を緩めたりすることでコントロールできていました。しかし、中東情勢に関しては、イランの報復次第になるため、コントロールすることは難しいと思います。

 ですが、トランプ大統領は米国株の推移を気にしている大統領でもあり、今回は自ら仕掛けたこともあって、短期で決着がつくと考えていると思います。

トランプ米大統領の写真

11月の大統領選で再選するために、トランプ大統領は米国株の下落は避けたいと考えていると、バカラ村氏は指摘。自らが仕掛けた中東情勢の悪化は、短期で決着がつくのではないかと予想している (C) Chip Somodevilla/Getty Images News

 そうであれば、今の米国株の下げも短期間で終わるのではないかと思います。

NYダウ 日足
NYダウ 日足チャート

(出所:Bloomberg)

■米ドル/円は新たなレンジで戻り売り

 目先では、まだ、米ドル/円は、上を買っていけるような状況ではないため、戻り売りではないかと考えています。

 ただ、下がったところでは、対外投資などの買いが入ってくるため、大きな下げも期待しにくいと考えています。

 108.00~109.70円のレンジを下抜けたこともあって、一段、下がっての推移となるのではないでしょうか。

107~109円での推移に切り替わったと考えて、基本的に戻り売りではないかと考えています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

■英ポンド/米ドルには、1.29ドル割れの可能性

 英ポンド/米ドルは昨年(2020年)、1.3514ドルまで上昇し、そこからエリオット波動の修正A波動で1.2905ドルまで下がりました。

【参考記事】
エリオット波動から読むポンドの下値は? 3年連続小動きの米ドル/円。2020年は…?(2019年12月24日、バカラ村)
米中問題とブレグジットがいったん収束。リスク選好でオセアニア通貨を押し目買い(2019年12月17日、バカラ村)

英ポンド/米ドル 日足
英ポンド/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

 そして、修正B波動で反発し、現在は61.8%戻しの1.3280ドル付近で上げ止まっています。

 エリオット波動で考えると、これから修正C波動がくることになり、1.3500ドルを超えるまでは、1.29ドルを下回る可能性があるということになります。

英ポンド/米ドル 日足
英ポンド/米ドル 日足チャート2

(出所:TradingView

 こちらも、基本的に売り目線でいます。

■しばらくはリスク回避の動きになりやすい

 米中の第1段階の合意署名は、1月15日(水)に行われる予定で、リスク回避になる材料は減っています。

 ただ、新たに中東情勢の緊迫化が材料として出てきたため、しばらくはリスク回避の動きになりやすいのではないかと思います。したがって、米ドル/円などは、戻り売りで考えています。

 それでは、本年も引き続き、よろしくお願いいたします。

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