■今週は動きの期待できない1週間
今週(12月23日~)は、動きが期待できない週です。
12月24日(火)は、米国など多くの国で、債券・株式市場が短縮取引や休場となり、25日(水)はクリスマスで、市場が開いているのは東京市場だけ。26日(木)は、日本や米国を除いた国は、ほとんどがお休みとなります。
そのため、海外勢の参加者は、すでにお休みしています。
今週(12月23日~)は、動きが出てこないと思いますので、無理にトレードするような時ではなく、同じように、お休みするような週ではないかと思います。
【参考記事】
●フラッシュ・クラッシュの再来はあるか? 北から米へのクリスマスプレゼントに注意(12月23日、西原宏一&大橋ひろこ)
■英ポンドの下落は買い方の投げ!?
ただ、英ポンドだけは、動いています。
12月17日(火)に、ジョンソン英首相が、EU(欧州連合)離脱後の移行期間延長を回避するための法改正を目指す、としたことから、英ポンドが軟調な推移を続けています。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
英国は、来年(2020年)1月末までにEUから離脱して、来年末まで、EU側との交渉に入ります。
ただ、交渉をまとめるには、11カ月という期間は短すぎるため、移行期間が延長される可能性が高いのですが、これを延長できないようにしたことにより、合意なき離脱懸念が出て、英ポンド安となっています。
ただ、実際は、保守党が圧勝したことで、英ポンドを買った人が多くなり、下がったところで投げが出ているだけではないかと思います。
■エリオットから見る英ポンドの下値メドは?
エリオット波動では、英ポンド/米ドルは、英総選挙の保守党勝利で、5波動目が形成されました。その5波動目のターゲットは、1.33~1.34ドル付近になりますが、1.3514ドルまでオーバーシュートしました。
(出所:TradingView)
そして現在は、修正波動の動きとなっています。
修正波動は、4波動目の終わり辺りまで下がることが多いため、今回も1.28ドル台辺りまでの下げは、期待できると考えています。
(出所:TradingView)
すでに1.2905ドルまで下がりましたが、まだ下げる余地がある、ということになります。
ただ、そこで下げ止まるというわけではなく、あくまでも、その辺りまでは下がる可能性が高い、ということです。
【参考記事】
●ポンド/ドルはエリオット波動の4波動目。教科書的には1.33ドル台へ上昇しそう(11月19日、バカラ村)
●英ポンド/米ドルは次の上昇がエリオット波動の5波動目!? ユーロは戻り売りで!(11月26日、バカラ村)
●米中協議、3つのシナリオから米ドル/円相場を予測! ポンド/ドルは1.33ドル台へ(12月10日、バカラ村)
●米中問題とブレグジットがいったん収束。リスク選好でオセアニア通貨を押し目買い(12月17日、バカラ村)
■米ドル/円は3年連続の小動きに…
今年(2019年)も残り、1週間となりましたが、米ドル/円は年間のレンジ幅が104.45~112.40円となり、8円に満たない値幅となっています。
(出所:TradingView)
米ドル/円の、過去の年間平均値幅は15円前後になり、この点から比較すれば「小動きだった年」となります。さらに、これまでの過去最小だった年(2018年)の値幅は約10円ですから、それと比較しても、かなり小さな動きでした。
【参考記事】
●ザイFX!で2019年を振り返ろう!(1) 大暴落後は動かない、動かない、動かない
今年(2019年)は、大幅に最小値幅を更新しそうな状況です。
3年連続で値幅が小さいことから、来年(2020年)こそは大きく動いてほしいと、期待したいところです。
■2020年の米ドル/円はどうなる?
今後のイメージとしては、米長期金利は底打ちしていますが、FRB(米連邦準備制度理事会)が当面、利上げも利下げもしないことを示唆しているため、米長期金利の上昇には、あまり期待できないと考えています。
(出所:Bloomberg)
米国株の方は、金融政策面の後押しもあり、堅調な推移になりやすいと考えています。
(出所:Bloomberg)
米ドル/円は、これらとの相関性があるため、どちらかというと上目線になりますが、米長期金利の上昇が期待できないのであれば、米ドル/円の上値もあまり、期待できないと思います。
来年(2020年)こそは、大きく動いてほしいですが、結局は、105~115円のレンジでの推移が、まだ続きそうです。
(出所:TradingView)
今年(2019年)も、本コラムを読んでいただいて、ありがとうございました。
今年(2019年)の相場を振り返ると、ダマシの動きが多かった年のように思います。
FXだけでなく、株式を取引している友人も含めて、年前半は難しい相場が続いたという人が多く、後半で取り返したという人が多いです。
来年(2020年)は、しっかりとしたトレンドが出ることを期待したいですね。
次回のコラムは、2020年1月7日(火)となりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、良いお年を。
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