■200日線維持なら上値余地拡大か
もう1つの注目点はやはり、200日移動平均線を巡る攻防だ。
【FX初心者のための基礎知識入門】
●移動平均線は、テクニカル指標の超基本。SMA・WMA・EMAの違いは…?
昨年(2019年)11月から散々、同線を巡る攻防が展開されてきたが、今回は「三度目の正直」を果たし、仮に今晩(1月10日)の米雇用統計が芳しくない結果でも108.60円付近の同線を守れば、米ドル/円の切り返しが引き続き有力視される。
【参考記事】
●米ドル/円は112 .41円への道筋がついた! 200日線乗せ達成で株高・円安傾向鮮明に(2019年11月29日、陳満咲杜)
●「相場が間違っている」という論調は危険! カギは米ドル/円と200日線の関係にあり(2019年11月22日、陳満咲杜)
(出所:TradingView)
同じ200日移動平均線をフォローする視点において、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)もしっかりしていることは支援材料。米ドル全体(ドルインデックス)の切り返しがあったものの、主要クロス円が総じて底堅い展開をしているから、米ドル/円の支えとなるはずだ。
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■1月8日は絶好の押し目だった
詳細にみていくと、英ポンド/円は200日移動平均線とかけ離れて推移し、ブル基調が一番強く、ユーロ/円や豪ドル/円は再度、同線を回復している、といった具合だが、注目すべきところはやはり、1月8日(水)の値動きだ。
豪ドル/円は8日(水)の大陽線をもって、200日移動平均線の下放れが一時的であったことを示し、ユーロ/円は1月3日(金)安値を割らずに同日に200日移動平均線を回復。ともに、調整完了の可能性を暗示していた。
【参考記事】
●なぜ、2019年年末の株価は安泰なのか? 分水嶺の200日線上にある豪ドル/ドルに注目(2019年12月20日、陳満咲杜)
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
1月8日(水)はイランによる米軍基地への「仮装攻撃」があったから、結果的に絶好の押し目を提供してくれたはずだ。
新年早々、大騒ぎが続いているが、相場の値動きで言えば結果的に良かったと思う。相場というものは不確実性がつきまとうものなので、これからもいろいろな材料が出るのに間違いはないが、市場の内部構造に鑑み、今年(2020年)だからこそ、杞憂は「要らん」だ思う。
市況はいかに。
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