風邪をひいたかどうかがマーケットの関心事になっている。時間の経過とともに感染者数と志望者数が増加しているからだ。それが中国の観光シーズンを直撃しているので、外出の機会が減り、国内消費の減退が懸念されているのだ。
旧正月の期間というのは、アメリカでいうとクリスマス商戦の時期に匹敵する。1年の個人消費のうちの4分の1くらいをつぎ込むものとされている。日本の置かれた立場を見てもわかるとおり、中国の消費低迷は日本の生産も打撃する。
それだけ日本は中国経済に依存している状況なのであり、これはアメリカも欧州も同様である。中国の第1四半期のGDPがプラス4.8%くらいまで下がろうものならば、その世界的な波及は大きなものに成らざるをえない。
昨日はアジア時間でもリスク回避のながれは継続。ドル円も108円台からなかなか脱却できないでいた。欧州序盤では日本人のバス運転手にもウイルス感染が判明したということで、リスク回避の動きはいっそう強まって世界的に株価は下落。日経先物もナイトセッションでは23000円の大台を割り込んできたりした。
しかしリスクオフはここのステージが最高潮だったようだ。その後は市場のリスク許容度は回復する事となったからだ。習近平主席がWHOの事務総長と会談したことも、市場に安心感を与えることに一役買った。米国のマクロ指標もミクロ指標も総じて良い物が並んだこともあって、米国株は大きく上昇することとなったのである。米国株は前日の大きく下げた分を、すべて取り返した。
それにも関わらずドル円の下げはかなり限定的で、109.20あたりまでしか上がらなかった。私はドル円の戻しがあったら売り込んでみようと思っていたので109.30からオファーを出していたのだが、それすらも届かなかった。あまりリスク性の動きに対して敏感ではなくなってきている状態というのは、去年の後半から続いている傾向ではあるのだが。
今晩は企業決算ではボーイングやゼネラル電気、引け後にフェイスブック、マイクロソフト、そしてテスラがある。今は足下ではウイルス感染の方が重要事なので、個別に反応するのは難しいだろう。またFOMCもあるのだが、今回は金融政策を変更しないものと目され、何の注目も集めていない。
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