■米金利低下に日欧は追随せず
ここで個人的に注目しているポイントは、米国の金利低下と比較すると、日欧が追随できていないこと。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
それは、対米の金利差が縮小することとなり、米ドルの上値を重くします。
結果、リスクオフの円高は短命に終わるかもしれませんが、米金利の急低下が相関性の高い米ドル/円の下値余地を拡大する可能性が台頭しました。
■米ドル/円が低ボラティリティ相場を脱却するきっかけに
ここで、米ドル/円のチャートを確認してみます。
今回の米ドル/円の高値は、112.23円。
2015年6月の高値125.86円と2016年6月の安値99.02円の半値戻しが112.44円。
今回の米ドル/円急騰では、この水準を超えられるかどうかがポイントでしたが、ここを超えられずに反落しています。
(出所:Bloomberg)
本稿執筆時点では、先週(2月17日~)米ドル/円急騰の起点となった110円台前半と半値戻しである112円台ミドルの間で乱高下している展開。
今回の米ドル/円の急騰、そして急反落は、昨年(2019年)来の低ボラティティマーケットを脱し、米ドル/円相場が大きく動くきっかけになるのではと想定しています。
その方向ですが、米金利の急低下に日欧の金利が追随できない展開からすれば、米ドル/円はダウンサイドではないかと考えています。
(出所:Trading View)
米国でも新型肺炎報道拡大により、資金は株から債券へ移行し、米10年物国債利回りは過去最低を記録。
本稿執筆時点では、トランプ政権は新型肺炎の早期沈静化と予算追加というスタンスをとっています。
しかし、仮に感染が拡大するようであれば、米大統領選に向けて、さらに強烈な対応策を講じる可能性があるため、トランプ政権の動向にも注目しておきたいところ。
引き続き、米金利の低下により、112円台ミドルを超えられず反落した米ドル/円の行方に注目です。
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