■急騰した米ドル/円だが、上昇は続かない!?
米ドル/円は約2週間、109.60円から110.15円付近での横ばいが続いていましたが、2月20日(木)に112.22円まで急騰してきました。
(出所:TradingView)
理由としては、下がればGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が買っていると言われていたこと、日本の2019年10月~12月期GDP(国内総生産)がマイナス6.3%(年率換算)だったことによるリセッション(景気後退)入りの可能性、コロナウイルスの影響でリスク回避を狙った米ドル/円の売りの損切りなどが合わさったことが挙げられます。
GPIFの買いや対外投資も、まだ続くと言われています。ただ、高いところでは買ってこないこともあって、米ドル/円は底堅くなるとは思いますが、この急騰の動きが続くようには考えていません。
【参考記事】
●一時110円を超えた米ドル/円だが、上がる状況ではない。 英ポンド/ドルは1.26へ(2月10日、バカラ村)
●想定どおりに進んだドル高も今週は一服か。米国株は今後、リスク回避の材料に警戒!(2月18日、バカラ村)
米ドル/円は、大きなレンジである108~110円が、一段、上にシフトしたと思いますので、押し目買いだとは思いますが、下がったところで買ったとしても、早めに手仕舞いをしていくべきではないかと考えています。
(出所:TradingView)
■米国一強で続いてきた株高・米ドル高にも陰りか
2月21日(金)に発表された米国の2月サービス業PMI(購買担当者指数)は49.4と、節目の50を割ってきました。
※BloombergのデータをもとにザイFX!が作成
ここまでは米国一強の動きで、米国株高や米ドル高が続いていましたが、その動きにも陰りが出てくるのではないかと思います。
(出所:Bloomberg)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
中国やオーストラリア、ユーロ圏などの経済指標が悪かったとしても、米国の経済指標には強いものが続いたため、米ドルを買いやすかったのですが、米国にも影響が出てくるようであれば、米国株も軟調になり、米ドル高への期待もできなくなってきます。
ただ、これまでの米ドル高のトレンドは終わると思いますが、消去法的に買えるのは、米ドルしかないように思います。
【参考記事】
●一時110円を超えた米ドル/円だが、上がる状況ではない。 英ポンド/ドルは1.26へ(2月10日、バカラ村)
●想定どおりに進んだドル高も今週は一服か。米国株は今後、リスク回避の材料に警戒!(2月18日、バカラ村)
ここまで米ドル高が続いたため、そのポジション調整も出ると思いますので、一時的に米ドル安にもなると思いますが、その動きは限定的ではないかと思います。
■約11年ぶり安値の豪ドル/米ドルは戻り売りで
株式市場が下がるようであれば、オセアニア通貨はまだ、弱くなりやすいと思います。
豪ドル/米ドルは、約11年ぶりの安値となっており、短期的には行き過ぎの状態ですが、戻りがあれば売りで良いのではないかと考えています。
(出所:TradingView)
これまでのような米ドル高は続かないと思いますので、今年(2020年)に入ってからの豪ドル/米ドルの下降トレンドのような、下げ続ける動きは続かないと思いますが、コロナウイルスの感染拡大が収まるまでは、豪ドル/米ドルは戻り売りで良いのではないかと思います。
(出所:TradingView)
米ドルが積極的に買える通貨ではなくなったため、豪ドル/米ドルは上下動が激しくなる可能性がありますが、長期的なサポートを割ってきていることもあり、戻り売りで考えています。
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