■4月以降、トルコリラに原油価格急落の追い風が吹く
今週(3月16日~)のトルコリラですが、対米ドルで大きく下がって、米ドル/トルコリラは、瞬間的に6.50リラ水準まで上昇しました。トルコリラ/円も16円台後半で推移しています。

(出所:Trading View)

(出所:Trading View)
世界的なリスクオフの影響で、新興国通貨が対米ドルで大きく値を崩しています。トルコリラも例外ではありませんが、メキシコペソと反対に原油価格の急落は、トルコリラに追い風になるので、その効果は来月(4月)から現れると考えます。

(出所:Bloomberg)
■トルコ中銀の1.00%利下げはタイミングが悪かった
一方で、トルコ中銀は、昨日(3月17日)の政策会合で政策金利を再び下げました。これはとてもタイミングが悪いと考えています。3月19日(木)に予定されていた政策会合が2日前倒しされましたが、トルコ中銀は政策金利を1.00%引き下げて9.75%に設定しました。
【参考記事】
●2020年のトルコリラ相場と注目点を解説! 一ケタ台へ? トルコ中銀の利下げは続く!?(2019年12月25日、エミン・ユルマズ)

(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部にて作成)
FRB(米連邦準備制度理事会)の緊急利下げをチャンスだと考え、同じタイミングで利下げに走った感があります。FRBの利下げは、もちろん新興国通貨にとってプラスです。しかし、すでに実質マイナス金利のトルコは、通貨防衛のために利下げを見送るべきだったと考えます。

(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部にて作成)
トルコは欧州向けの輸出が大きく、欧州の混乱がいつまで続くかわからないからです。
新型コロナウイルスによる欧州の混乱が長引いた場合、米ドル/トルコリラは、7.00リラまで上昇する余地があると考えます。

(出所:Trading View)
一方で、米ドル/円で大きな円高が起きない限り、トルコリラ/円が16円台を割る可能性は低いです。
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