■行き場を失った資金は、コモディティや豪ドルへ
しかし、その後は、行き場を失った資金が株などのリスクアセットに徐々に移行すると思われます。
その資金の行き場のもうひとつの候補は、コモディティ(商品)。
筆者が情報交換している海外の友人の多くは、こうした資金がコモディティに流れるのではないかと注目しています。
そして、通貨でいえば、コモディティ通貨の代表は豪ドルです。
このコラムでも、前回、前々回と、2回連続でご紹介させていただき、注目している豪ドルですが、3月19日(木)に、豪ドル/米ドルは0.5510ドル、豪ドル/円は59.91円でボトムアウトして上昇継続。
【参考記事】
●極端な米ドル不足は徐々に改善傾向! 豪ドル/米ドルは底入れ後、上値余地拡大(4月2日、西原宏一)
●「株安・米ドル高」の流れは早晩反転か? 豪ドルは悪材料出尽くしで中期的に反発へ(3月26日、西原宏一)
本稿執筆時点で、豪ドル/米ドルは0.6250ドル、豪ドル/円は68.13円まで急伸。
(出所:IG証券)
(出所:IG証券)
さらに強烈なのが、ユーロ/豪ドルです。
3月19日(木)につけた高値、1.9802豪ドルから1.7399豪ドルまで暴落。
わずか3週間で、2403pipsの大暴落となっています。
(出所:IG証券)
■OPECプラスの緊急会議に注目
この豪ドルの反発は、原油の反発も影響しており、4月9日(木)に、OPEC(石油輸出国機構)プラスが開催予定になっているので、そちらも注目されます。
(出所:IG証券)
豪州は世界最大の安定的なLNG(液化天然ガス)輸出国です。LNG価格は、原油価格の動向に大きな影響を受けます。
写真はLNGを積んだタンカー。豪州は世界最大のLNG輸出国であり、LNG価格は原油価格の動向に大きな影響を受ける (C)Bloomberg/Getty Images
石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」が9日開く緊急会議では「大規模な減産」について話し合う見通し。
出所:Bloomberg
ただ、武漢の封鎖解除により、マーケットではアフターコロナに注目が集まり、株やコモディティ、そして資源国通貨に徐々に資金が流れる傾向は変わらず。
先月(3月)に引き続き、豪ドル/米ドル、豪ドル/円、そして、ユーロ/豪ドルも含め、豪ドルの上昇に注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)