■新型コロナウイルスで明るいニュースも
新型コロナウイルスの感染者数増加の勢いは衰えてきていますが、沈静化するまでには、まだまだ時間が必要となりそうです。
欧米では、まだロックダウン(都市封鎖)した地区があり、解除にもまだ、数週間を要しそうです。
ただ、先週(4月6日~)に中国の武漢で封鎖が解除されたことは、明るいニュースだと言えます。
■FRB、なりふり構わない政策を発表
これまで、各国の中央銀行が新型コロナウイルスの影響で、景気悪化への対策を採ってきており、FRB(米連邦準備制度理事会)も無制限の量的緩和を行うなど、異例の金融政策を発表してきました。
ロックダウンしている状態のため、これが解除されない間は、どのような金融政策を行ったとしても、実体経済の回復は見込めませんが、株式市場は好感した状態が続いています。
(出所:TradingView)
4月9日(木)には、FRBがさらに、2.3兆ドル規模の資金供給策を発表しました。
投資不適格級の社債も買い取ることを発表しており、FRBとしては、なりふり構わない対応です。
それだけ、新型コロナウイルスの影響が酷い、ということなのですが、2018年後半のパウエルFRB議長と、今のパウエルFRB議長は、別人かと思うほどの行動です。
投資不適格級(ジャンク級)の社債までも買い取る政策を発表したFRBのパウエル議長。今のパウエルFRB議長は、2018年後半のパウエルFRB議長とは別人かと思うほどの行動だとバカラ村氏は指摘 (C)Bloomberg/Getty Images News
■株価は半値戻し、米ドル高は収まる
実体経済は、まだまだ悪い状態が続き、これからも、極端に悪い経済指標が出てくることが予想されますが、株式市場の動きは別ものとなっており、金融政策の影響で、半値戻し辺りまで上昇してきています。
(出所:TradingView)
株式市場は、今は落ち着きどころの水準を探す動きになっていると思いますが、株式市場の下げによる現金化の動きも収まったことから、為替市場では米ドル買いの動きも収まっています。
【参考記事】
●悪材料織り込みでNYダウの二番底はない!? 大きな流れは米ドル安。豪ドル買い継続(4月13日、西原宏一&大橋ひろこ)
●経済対策が効きすぎてコロナバブルに!? 株式市場の切り返しはまだ序の口!(4月10日、陳満咲杜)
●マーケットは「アフターコロナ」に注目!大規模金融緩和であふれた資金はどこへ?(4月9日、西原宏一)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
■米ドル安の可能性が一段と高まる!
株式市場の下落が収まれば、FRBの金融政策の影響で米ドル安になるのではないかと考えていましたが、先週(4月6日~)には社債の買い取りも発表されたことで、ますます米ドル安になる可能性が高まったのではないかと思います。
今はまだ、しっかりとしたトレンドとはなっていませんが、徐々に米ドル安に推移していくのではないかと考えています。
【参考記事】
●日本は、本日(4月7日)緊急事態宣言発表へ。コロナウイルス相場が終われば米ドル安(4月7日、バカラ村)
●コロナ相場が落ち着いてくれば米ドル安へ。英ポンド/米ドルに底打ちのパターン確認!(3月31日、バカラ村)
新型コロナウイルスの影響で、ロックダウンがまだ2~3カ月ぐらい続くようなことになれば、米ドル/円も再度、101円台付近をトライする動きが出てくる可能性は、あるのではないかと思います。
(出所:TradingView)
今はまだ、108円を中心とした横ばいですが、中期的には下がる可能性の方があると思います。
■大きな流れは米ドル安。豪ドルは押し目買い
ゴールド(=金)が高値を超えてきており、豪ドル/米ドルも、堅調な推移が続きそうです。
(出所:TradingView)
4時間足などの短い時間軸では、買われ過ぎになってきているため、高いところでは買えませんが、押し目買いで良いのではないかと考えています。
ユーロ/米ドルに関しては、どちらかというと、米ドル安の方が強くなると思いますので、上がると思いますが、強い上昇は見込めないように思います。
(出所:TradingView)
ユーロ圏は、多くの国の集合体ですが、緊急時はなかなかまとまらず、行動が起こせないこともあって、今回も、ユーロとしては軟調な展開が続いていました。
相対的にユーロは弱い状態のままですが、それ以上にFRBの金融政策は、米ドル安になる要素があるのではないかと思います。
大きな流れとしては、まだ、米ドル安で良いのではないかと考えています。
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