■コロナが世の中の流れを加速させた
実際、私も「トレーダーとしての側面は変わりません」が、ストラテジストとしての仕事は大きく変わりつつあります。
会場セミナーは激減。「オンラインでのセミナーや番組配信」が増える傾向にあったのが、加速している流れに。
先日の打ち合わせも、私が提案してオンライン会議ができるツールZoomで行いました。
今、私が進めている企画もZoomを使ったものであり、たしかに移動は少なくなりそう。
これは、コロナで世の中が変わったというよりも、コロナが世の中の流れを加速させた形。
ここで、この変化を確認してみます。
私が移動しないということは「車を使わない、電車に乗らない、打ち合わせで会議室を使わない、終わった後、軽く行きますか?という食事代がかからない」といったようなことが挙げられます。
逆に、動画配信を事務所からするのであれば、これは個人で配信するため、マイクなどの機材を揃えたり、動画をあとから編集するためのソフトウェアを購入するコストはかかりそう。
以前もご紹介しましたが、このようにポストコロナは、コロナ前に戻るのではなく、違う世界に移行するスピードが速まるということのようです。
【参考記事】
●新型コロナ治療薬への期待が相場押上げ! 銅価格上昇は将来的なリスクオンを示唆!?(4月30日、西原宏一)
■ポストコロナはユーロが主役の相場になる
こうした環境下、金融市場、為替市場はどう変貌するのでしょうか?
直近の為替市場では、引き続き、豪ドルが主役に。
前回のコラムでは、豪ドル/米ドルと銅の動きの連動性についてご紹介させていただきましたが、今回は、株式市場とユーロ/豪ドルの連動についてです。
【参考記事】
●新型コロナ治療薬への期待が相場押上げ! 銅価格上昇は将来的なリスクオンを示唆!?(4月30日、西原宏一)
このところ、米国株が上がるとユーロ/豪ドルが売られて、米国株が反落するとユーロ/豪ドルが大きく買われるという傾向があります。
(出所:Trading View)
こうした役割は、長期に渡って豪ドル/円が演じたきたのですが、円キャリーからユーロキャリーが主役になるにつれて、米ドル/円や豪ドル/円の役割が低下してきています。
そして、今週(5月4日~)に入って、ユーロ/豪ドルとともに、もうひとつ動き出した通貨があります。
それは、ユーロ/円。
現在、米国は前例のない金融緩和に踏み切っています。
【参考記事】
●マーケットは「アフターコロナ」に注目! 大規模金融緩和であふれた資金はどこへ?(4月9日、西原宏一)
このような環境下、これまでの傾向から考えればユーロ/米ドルを筆頭に、マーケットは米ドル売りに傾くことが多いのですが、今回のユーロは対豪ドル、対円を筆頭に値を下げてきています。
(出所:Trading View)
これは欧州が、米国やオセアニア、そして日本以上にコロナの被害がひどいことを意味します。
そうした環境下、今週(5月3日~)の注目はユーロ/円。
ユーロ/円は、ついに3年半ぶりに115.00円の節目を割り込んで、本稿執筆時点では114.47円まで下落しています。
(出所:Trading View)
前回ご紹介したユーロ/豪ドルに続き、ユーロは対円でもさらに値を下げる可能性が高まっています。
ポストコロナの主役は、米ドル/円ではなく、ユーロ/豪ドル。
【参考記事】
●新型コロナ治療薬への期待が相場押上げ! 銅価格上昇は将来的なリスクオンを示唆!?(4月30日、西原宏一)
次に、本邦勢からレパトリエーションの円需要の高まりが懸念されているユーロ/円。
110.00円に向けて、続落するユーロ/円の動向に注目です。
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