■新型コロナウイルス、現在は第2ステージ
ここのところ、金融市場は新型コロナウイルス次第という状況になっているので、まず、新型コロナウイルス関連の状況について、考えてみたいと思います。
世界的に蔓延した新型コロナウイルスですが、現在は、第2ステージに入っているように見えます。
最初に爆発的な広がりを見せた中国では、ほぼ完全と言っていいくらいの収まりを見せています。
中国では、私の知るところ、今月(5月)に入って、国内で新規に感染している人はいなくなりました。外国からの帰国者の中に、若干、感染者がいる程度です。
(出所:世界保健機関)
こうした状況を受けて、中国では経済活動が再開し、5月15日(金)には、完全に規制が撤廃されます。正常に戻るということです。
また、隣国の韓国も同じ状態で、すでに中韓では、貿易の正常化が進んでいます。韓国人が大量に中国に入り込み、日本企業のビジネスを、かなり奪っているようです。
■欧米でも経済活動再開の動き。日本も正常化へ
感染拡大が中国よりも悪化してしまった欧米ですが、こちらも、すでに一部ではありますが、経済活動が再開され始めています。米国では、まだ感染は収まっていませんが、いったんピークアウトした可能性が高く、近いうちに、徐々に経済活動は再開されるでしょう。
日本も、今月(5月)末まで緊急事態宣言が延長されましたが、すでに規制を緩和し始めた県もあり、政府も5月14日(木)、21日(木)と、専門家会議を開いて、さらなる規制緩和を議論します。
日本国内も、今月(5月)から来月(6月)にかけて、正常化に向けた動きとなってくるでしょう。
【参考記事】
●日本は緊急事態を海外に合わせて解除!? 巨額の政府支出で危険な通貨は?(5月7日、志摩力男)
もちろん、インドのように、今まさに、感染拡大が深刻化している国もありますが、結局、時間差で各国に伝播しているということなので、先に感染が広がった国から経済活動を再開していくということになります。
【参考記事】
●ドル/円・ユーロ/円は予想以上の円高に。レパトリ本格化なら、かなりの円高圧力か(4月30日、今井雅人)
■今後は、上手く付き合いながらの安全運転で
さて、そこで今後ですが、これには、100年ほど前に流行したスペイン風邪のケースが参考になります。
スペイン風邪は、1918年に爆発的な流行をしましたが、いったん、ある程度、収まりました。しかし、翌1919年になって、再び猛威を振るいました。つまり、ピークは2度あった、ということになります。
私の見立てでは、今回の新型コロナウイルスも、6月ぐらいでいったんの収まりを見せ、世の中も正常化に向かうと考えています。しかし、新型コロナウイルスは、消滅するわけではないですし、国によっては感染が収まらない状況が続くでしょう。
そうすると、どうしても経済活動は滞ります。コロナウイルスと、うまく付き合いながら、安全運転を余儀なくされるでしょう。
あとは、治療薬とワクチンが、いつ普及するかという問題と、スピード勝負になります。特に、ワクチンが早く開発されれば、収束に向かうでしょうし、そうでなければ、もう一度、感染拡大がやってくるかもしれません。
金融市場ですが、以上、説明したような状況を見ながら…
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