■香港国家安全法を採択も、米国の姿勢に安堵感
5月28日(木)に、中国全人代(全国人民代表大会)で、香港国家安全法の制定方針が採択されたと報じられました。
これにより、米中の対立が激しくなるとの警戒感が出たこと、さらに、5月29日(金)の深夜に、トランプ大統領による対中制裁に関する会見が予定されていたこともあり、株式市場は上値の重い展開となりました。
市場参加者の中では、米中の追加関税第1段階の合意が破棄される可能性も予想されていましたが、実際には、香港の優遇措置撤廃、WHO(世界保健機関)からの脱退などが表明されました。
市場参加者が予想していたほどの強硬姿勢は示されず、安堵感からリスク選好の動きとなりました。
【参考記事】
●香港に衝撃!中国政府が国家安全法制定へ。なぜ中国は今、動いた? リスクオフになる?(5月27日、志摩力男)

(出所:TradingView)
■金融緩和・財政出動による過剰流動性相場が継続
米国では、人種差別への抗議デモの暴徒化もあり、リスク回避の材料には事欠きませんが、各国の中銀による金融緩和、政府による財政出動での過剰流動性相場が継続しています。
【参考記事】
●株は過剰流動性相場、為替はもみ合い。今の為替は「待ちの段階」(5月26日、バカラ村)
そして、ロックダウン(都市封鎖)の解除による経済の再始動もあって、株式市場はリスク回避で下がったところは買われ、堅調な推移が続いています。
6月1日(月)にも、中国が米国産の一部の農作物の輸入を停止するということが関係者の話として報じられましたが、このときも下げは限定的で、リスク選好の推移が継続しています。
■リスク選好で資源国通貨が堅調
為替市場では、リスク回避のときは資源国通貨が売られ、米ドルが買われますが、リスク選好のときは資源国通貨が買われ、米ドルが売られます。
そのため、豪ドル/米ドルは安値を切り上げ、高値も切り上げる堅調な推移が続いています。
【参考記事】
●株式市場は想定以上にリスクオン! 200日移動平均線を上抜けた豪ドルは押し目買い(6月1日、西原宏一&大橋ひろこ)

(出所:TradingView)
また、米ドル/カナダドルも、これまで1.3850カナダドルがサポートされていましたが、これをブレイクし、米ドル安に推移しています。

(出所:TradingView)
■サイクル崩れ、膠着した相場が動き出した!
今年(2020年)は、2月から3月にかけては、コロナ相場で激しく動いていましたが、その反動もあり、4月から5月にかけては膠着した相場が続いていました。
ドルインディックスも、約10日間ごとに、米ドルが強くなったり、弱くなったりのサイクルを繰り返し、膠着した相場展開が続いていました。
【参考記事】
●株は過剰流動性相場、為替はもみ合い。今の為替は「待ちの段階」(5月26日、バカラ村)
タイミングとしては、5月末まで米ドルが強くなりやすい状況でしたが、先週(5月25日~)、このサイクルが崩れたことで、膠着した相場も動き出してきました。

(出所:TradingView)
コロナ相場が終われば、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策などの影響で…
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