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西原宏一_メルマガ取材記事
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トラリピって、どんなサービス?
しくみ、特徴、デメリットなどを紹介!

2020年07月01日(水)15:30公開 (2021年03月31日(水)15:13更新)
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トラリピは「トラップリピートイフダン」の略称で、マネースクエア「マネースクエアFX」で利用できる独自開発の注文機能。マネースクエアを傘下に収めるマネースクエアHDが特許を取得している技術で、正式名称からもわかるとおり、「トラップ」「リピート」「イフダン」の3つが合わさったものです。「トラリピ」は、商標登録もされています。

トラリピ紹介画像

 ちなみに、上のキャプチャ画像にいる緩めのトラっぽいキャラクターは「トラリピくん」。マネースクエアのマスコットキャラクターで、ゆるキャラグランプリにも参戦していた、FX界を代表するゆるキャラです。

 トラリピのおもなメリットは以下の3つ。一定の価格帯を行き来しやすいという為替相場の特性を利用した注文機能で、レンジ相場で特に威力を発揮すると言われています。設定したルールに従って自動売買を行ってくれるので、仕事中や就寝中などで相場を見ていない間も、利益を狙えるといった特徴があります。

トラリピの3つのメリット

 日本のFX会社の中に、トラリピと似たような機能を有するFX口座はいくつかあり、当サイトではそれらをまとめて「リピート系発注機能」と呼んでいますが、トラリピはリピート系発注系機能の元祖で、代表的な口座として知られています。
【※関連記事はこちら!】
システムトレード(シストレ)口座を徹底比較!:(4)リピート系発注機能【トラリピなど】

 しかも、こうしたリピート系発注機能を利用するには、取引手数料がかかるFX会社が多いのですが、トラリピの取引手数料は完全無料です。取引にかかる総コストはスプレッド分だけという、うれしい一面もあります。


【目次】
トラリピのしくみ
 ・総推移を狙って利益を積み重ねる
トラリピの設定方法
「トラリピ戦略リスト」から選択して稼働も
トレンドを追いかける「決済トレール機能」
トラリピのデメリット
 ・デメリット1 トレンド相場に弱い
 ・デメリット2 スプレッドはかなり広い
 ・デメリット3 スワップポイントは良くない
まとめ


トラリピのしくみ

 トラリピは、「レンジ相場を形成しやすい」「価格がゼロにはならない」「24時間取引」というFX市場の特徴と、「上下の予想はむずかしい」「レンジなら予想しやすい」「長い時間、値動きを見ていられない」という個人投資家の特性の両者をうまく結びつけるために開発された注文方法。

トラリピの特徴1

(出所:マネースクエア)

 米ドル/円、ユーロ/円、ユーロ/米ドル、豪ドル/円、豪ドル/米ドル、豪ドル/ニュージーランドドル、ニュージーランドドル/円、ニュージーランドドル/米ドル、カナダドル/円、英ポンド/円、英ポンド/米ドル、トルコリラ/円、南アフリカランド/円、メキシコペソ/円の14通貨ペアに対応していて、1000通貨単位での取引が可能。ただし、南アフリカランド/円、メキシコペソ/円は1万通貨単位となります。

 具体的には、「もし●円で買えたら▲円で売り決済する」「もし●円で売れたら▲円で買い決済する」というイフダン注文(IFD注文)を、一定の値幅内に罠(トラップ)を仕掛けるように等間隔で張り巡らせて、繰り返し(リピート)出す注文方法です。
【※関連記事はこちら!】
FX初心者のための基礎知識入門:注文方法2(OCO/IFD/IFO)

 イフダン注文自体はFXではメジャーな注文方法ですが、通常は1セットとなる新規注文と決済注文の両方が成立すると取引が終わってしまうため、まったく同じ注文を再び行いたい場合は、新たに発注しなければなりません。

イフダン注文

(出所:マネースクエア)

 そのイフダン注文を、自動で何度も繰り返し発注してくれるのが「リピートイフダン」です。さらに、予想したレンジの中にリピートイフダンを等間隔で複数設定することによって、24時間、レンジ内のさまざまな水準で利益を獲得でき、為替レートが仕掛けた範囲で推移を続ける限り、利益を積み重ねていくことが期待できるのがトラップリピートイフダン、略してトラリピということになります。

トラリピのイメージ

(出所:マネースクエア)

・総推移を狙って利益を積み重ねる

 トラリピが狙うのは、為替レートの「総推移」。総推移とは、ある一定期間中に、トータルの値動きがどれだけあったのかを示すデータの名称です。

 たとえば、マネースクエアの公式サイトによると、2018年の米ドル/円は年間の高値と安値の差である「高低差」が約10円だったのに対し、4時間ごとの高低差を累積した総推移は約400円。両者には実に40倍の開きがあったとのこと。

高低差と総推移の比較

(出所:マネースクエア)

 単純に高低差を狙ったトレードでは、為替相場にそれなりのトレンドが発生することが必要で、そのトレンドを判断する相場観も大切になります。一方、総推移を狙ったトラリピでは、広めのレンジを想定して、その中に複数のリピートイフダンを仕掛けておくことで、日々の上げ下げが利益となって積み重なっていきます。

 それを自動で行ってくれるわけですから、うまく運用できれば、知らないうちに利益が増えていた、なんてことも夢ではないかもしれません。

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トラリピの設定方法

 トラリピの設定は、マネースクエア「マネースクエアFX」のトレード画面で行います。

 運用したい通貨ペア、新規取引を買いから入るか売りから入るかを選択したあと、トラップを仕掛けるレンジや仕掛ける本数などを入力していけばOK。

 入力をサポートしてくれる「トラリピ注文NAVI」を使えば、迷うことなく設定が完了します。また、画面右側のチャート部分で、設定したレンジなどを視覚的にわかりやすく確認できます。

マネースクエア「マネースクエアFX」のトレード画面(クリックで拡大)
マネースクエア「マネースクエアFX」のトレード画面

(出所:マネースクエア)

 設定した内容に基づいてリスクを試算してくれる画面もあり、そこでは設定内容を細かく確認できるほか、運用予定額を入力すると、自動でロスカットの水準も計算してくれます。

 トラリピは戦略上、保有しているポジションに一定の含み損が発生するのは避けられません。それを考慮したうえで、運用額とレンジや仕掛ける本数などを決める必要があることは、押さえておきたいポイントです。

 すべての設定が完了したら、あとはトラリピを稼働させるだけ。放っておいても、設定に沿って売買を繰り返してくれるので、初心者の方も簡単に自動売買をはじめることができます。

 また、トラリピを仕掛けるレンジを決め、そのレンジ内の下半分では買いから入るトラリピ、上半分では売りから入るトラリピを設定する「トラリピハーフ&ハーフ」と呼ぶ戦略なども可能です。為替レートが想定したレンジで推移を続ければ、通常のトラリピよりも必要資金を抑え、より一層の収益チャンスを狙うことができます。

「トラリピハーフ&ハーフ

(出所:マネースクエア)

 トラリピハーフ&ハーフには、想定したレンジを外れた場合、上下どちらにも損失が生じるリスクなどもありますが、設定のしかた次第で多彩な戦略を練ることができるのも、トラリピの特徴です。

 iPhone(iOS)版とAndroid(アンドロイド)版の両方で、スマホアプリも提供されています。PC版トレード画面とよく似た画面構成になっていて、トラリピの設定や管理も手軽に行えます。スマホユーザーはぜひ、活用してみてください。

「トラリピ戦略リスト」から選択して稼働も

 いくら自動売買とはいえ、トラリピでは仕掛けるレンジや獲得する利益の幅などを、ユーザー自身が設定する必要があります。これはトレードの最終的なパフォーマンスに大きく影響する可能性がある部分で、特に初心者の方にとっては、どのような設定が効率的なのか、迷うこともで出てくると思います。

 そんなときに活用したいのが、マネースクエアが通貨ペアの特性を考慮して提案する戦略が一覧になった「トラリピ戦略リスト」です。バックテストの結果や過去の実際の運用パフォーマンスも公開されていて、気になる戦略があれば、そのまま選択して運用を開始することができます。

初心者向けトラリピ戦略リスト

 初心者向けには米ドル/円、豪ドル/ニュージーランドドル、カナダドル/円、メキシコペソ/円、豪ドル/円の5通貨ペアを対象に、データに基づくリスク重視の売買戦略が計8つ、提案されています。

 また、中級者向けとして、豪ドル/ニュージーランドドル、カナダドル/円、メキシコペソ/円の3通貨ペアを対象に、マネースクエアのストラテジストが提案する計6つの売買戦略が提供されています。

中級者向けトラリピ戦略リスト

 中級者向けの売買戦略では、戦略を策定したストラテジストによる解説動画も公開されています。これまでトラリピを利用してきて、思うように収益が上がらなかったなどという方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

トレンドを追いかける「決済トレール機能」

 トラリピにはトレンドが発生したとき、そのトレンドを追いかけてくれる「決済トレール機能」も提供されています。

 トレンドが発生しそうだと判断したときに決済トレール機能をオンにすれば、決済価格を一定のトレール幅で自動的に切り上げてくれるので、利益が拡大するチャンスが増えます。

 ただし、トラリピが本来、得意としているレンジ相場で決済トレール機能を有効にしていると、収益チャンスを逃しやすくなるので注意が必要です。

決済トレール機能

(出所:マネースクエア)

 また、決済トレール機能が有効なのは、ポジションを保有していて、相場がポジションの含み益が増える方向へ動いているときだけです。

決済トレール機能をうまく活用するには、ある程度の相場を見極める力も必要になってくると言えるでしょう。

トラリピのデメリット

・デメリット1 トレンド相場に弱い

 レンジ相場で大きな威力を発揮するトラリピは、トレンド相場には弱く、相場が想定していたレンジを外れてしまうと機能しなくなってしまいます。これはデメリットと言えるでしょう。

 ポジションの含み損が拡大する方向へ想定レンジを大きく外れた場合は、がまんして想定レンジに戻るのを持つか、あるいは損切りするかという悩ましい問題が出てきます。

 ストップロス注文を設定していた場合、ストップロス注文を入れていたレートに達すれば、それ以上の損失拡大は防げますが、損失が確定することになります。また、含み損が拡大し、証拠金が大きく減ると、ロスカットによってポジションが強制決済され、運用が終了する可能性もあります。

 上述のようなことがあるため、トラリピでは、想定レンジをどうするか、どれぐらいの間隔で注文を入れるか、証拠金をどれぐらい用意するかといったことが重要になってきます。

 また、そもそもレンジ相場ではない通貨ペアには最初から手を出さず、レンジ相場を想定して開始しても、レンジを外れそうになったら運用を見直すということが基本的な考え方になるのではないでしょうか。

・デメリット2 スプレッドはかなり広い

 マネースクエア「マネースクエアFX」では、取扱い通貨ペアのスプレッドを公表していません。なので、通常時にスプレッドがどのぐらいの水準で推移しているのか、正確な数値はわかりませんが、実際の取引画面にログインして確認したときのスプレッドは、米ドル/円は3銭~4銭、ユーロ/円は4~5銭、ユーロ/米ドルは4pips~5pipsぐらいの間を推移していました。

 常にこのレベルのスプレッドが提示されているとは言えませんが、どの通貨ペアも日本のFX業界におけるスプレッドとしては明らかに広いので、取引手数料は無料でも、最終的な取引コストは他のFX口座と比べて割高になると思います。

 しかし、リピート系発注機能は、一般的な裁量トレード用口座に比べると、取引コストがかかることが多いのが普通です。リピート系発注機能の中で比べれば、トラリピが一方的に高コストということはありません。トラリピを最大限に活用すれば、広いスプレッドによって生じる割高の取引コストを、トラリピの運用コストと割り切ることができそうです。

 ただ、トラリピを使わず、相場の動きを積極的に狙って取引する裁量トレーダーにとっては、スプレッドが広いマネースクエア「マネースクエアFX」は、おすすめできるFX口座ではないと言えます。
【※関連記事はこちら!】
FX会社おすすめ比較:取引コスト(スプレッドなど)で比べる

・デメリット3 スワップポイントは良くない

 トラリピが威力を発揮するレンジ相場では、為替差損益が一方向へ拡大することなく、ポジションを保有している間はスワップポイント(スワップ金利)による金利収益を安定して受け取れるメリットもあります。しかし、マネースクエア「マネースクエアFX」のスワップポイントは残念ながら、他社と比較して決して魅力的ではありません。

 2019年に取扱い通貨ペアに加わったメキシコペソ/円に限っては、一時期は他の取扱い通貨ペアと比べたときに、ある程度の割合のスワップポイントが付与されてきた実績がありましたが、全体的な見劣り感は否めません。

 また、同じ通貨ペアの受取るスワップポイントの金額と支払う方向の金額の差が、かなり広めの傾向にあるため、トラリピでスワップポイントを支払う方向にポジションを建てる設定を行う場合は、スワップポイントの支払いによる総資産の変動にも、一応の注意は払っておく必要があるでしょう。
【※関連記事はこちら!】
FX会社おすすめ比較:スワップポイントで比べる

まとめ

 基本スペックの比較では優位性を感じにくいものの、裁量取引では極めて難しい「24時間、常に相場の動きを見ながら、決められたルールに従った取引を繰り返す」ことが可能なトラリピは、中長期的にレンジ相場が想定される通貨ペアで適切な設定を行うことができれば、優れたサービスです。

 自動売買に興味のある方はもちろん、長期的な視野に立った安定的な資産運用を目指す方にとっても、有効なツールとなりえるでしょう。

 自動売買に興味のある方は、マネースクエア「マネースクエアFX」のトラリピを一度、チェックしてみてはいかがでしょうか。
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システムトレード(シストレ)口座を徹底比較!:(4)リピート系発注機能【トラリピなど】

>>>マネースクエア「マネースクエアFX」の最新スペック詳細はザイFX!の比較コンテンツをご覧ください

(ザイFX!編集部)

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