■米感染者数増加も、為替市場はもみ合いが継続
先週(7月6日~)からは、目新しい材料もないため、為替市場は動きもなく、もみ合い相場が継続しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
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新型コロナウイルスの新規感染者に関しては、米国やブラジルでは増加が止まらず、死亡者も増加してきています。
(出所:世界保健機関)
トランプ大統領にとっては、感染を抑え込まないと大統領選が厳しくなりますが、経済活動を止めるつもりはないようで、感染者数も増加傾向のままです。
■米大統領選、トランプ大統領の再選は五分五分!?
先月(6月)に、ボルトン前大統領補佐官が暴露本が出版しましたが、トランプ大統領の姪も暴露本を出版します。
また、人種差別問題も残ったままのため、トランプ大統領の支持率よりも、バイデン氏の支持率の方が高くなっています。
民主党の大統領候補の指名獲得に必要な数の代議員を確保した、ジョー・バイデン元副大統領。支持率で現在、トランプ大統領を上回っている (C)Scott Olson/Getty Images News
ただ、トランプ大統領には隠れ支持派がいると言われており、再選は、まだ五分五分ではないかと聞きます。
再選をより確実にするため、トランプ大統領は経済対策などを打ち出してくると思いますので、そのときは、株式市場も堅調になるのではないかと思います。
【参考記事】
●米株調整間近!? 米ドル/円の戻り売り継続! 懸念はバイデン優勢の大統領選や米中冷戦(7月9日、西原宏一)
●米大統領選まで4カ月! トランプの支持率は低下…バイデン大統領誕生なら何が起こる?(7月1日、志摩力男)
トランプ大統領は再選をより確実にするため、経済対策などを打ち出してくると、バカラ村氏は予想している (C)Mark Wilson/Getty Images
■過剰流動性相場が株式市場を下支え。YCC導入は…?
直近1カ月では、NYダウや日経平均は底堅いものの、まだレンジ内で推移しています。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
コロナの封じ込めに米国は失敗していますが、過剰流動性相場のため、株式市場は底堅い推移が続いています。
株式市場が強ければ、為替市場は米ドル安となります。
FRB(米連邦準備制度理事会)による、YCC(イールドカーブ・コントロール)の導入期待も残ったままです。今月(7月)、28日(火)~29日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)があり、導入は、まだ先になると思いますが、今回もYCCの検討はされるのではないかと思います。
これも、米ドル安への材料となります。
【参考記事】
●米国のコロナ禍拡大は短期的には米国株を支え、米ドル全体を下落させる材料に!?(7月10日、陳満咲杜)
■米ドル安見通しに変化ないが、戻りを待つべきか
これまで、大きな流れとしては米ドル安で考えており、今もその見解は変わっていませんが、トレンドを作るには、まだ材料不足です。
ドルインデックスのチャートも上値が切り下がってきているため、売り目線のままですが、直近レンジの安値圏で推移していることもありますので、戻りを待った方が良いと考えています。
(出所:TradingView)
レンジブレイクでエントリーをすると、安値圏で売ることになると思います。
【参考記事】
●ドルインデックスがダブルトップ形成! 大きな流れとしての米ドル安に変化なし(7月7日、バカラ村)
●自律的な調整終われば、再度リスク選好へ! 長期的な米ドル安見通しは変わらず。(6月16日、バカラ村)
■復興基金合意ならユーロ/米ドルは1.15ドルも!
ドルインデックスは、ユーロに大きく影響するため、ユーロ/米ドルも重要になってきます。
今週(7月13日~)は、16日(木)にECB(欧州中央銀行)理事会、17日(金)~18日(土)にEU(欧州連合)首脳会議が開催されます。
ECB理事会は現状維持だと考えていますが、EU首脳会議に関しては、復興基金について合意されるのか、注目されます。
メルケル独首相も、今回の会合で「合意できるか、わからない」と発言しており、市場も悲観的なため、合意できなかったとしても、ユーロ/米ドルの下げは限定的ではないかと思います。
反対に、合意するようなことになればサプライズで、ユーロ/米ドルは1.15ドルをトライするような動きも期待できるのではないかと考えています。
(出所:TradingView)
■米ドルの戻り待ち。豪ドル/米ドルも、まだ上昇しそう
基本的に、大きな流れは米ドル安のままで考えていますが、チャートはもみ合いが続いており、材料不足でもあるため、米ドルの戻りを待って売るのが良いのではないかと考えています。
豪ドル/米ドルも、高値圏でもみ合いをしていますが、こちらもまだ上昇するのではないかと考えています。
(出所:TradingView)
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