■下半期スタートも、先週は小動きの週に…
下半期が始まりましたが、先週(6月29日~)は材料不足と米国で独立記念日の祝日があったこともあり、小動きの週でした。
材料としては、中国が香港国家安全維持法を可決したことが挙げられますが、これはリスク回避の材料となるものの、トランプ大統領からの強硬姿勢はまだ示されておらず、金融市場への影響は出てきていない状態です。
【参考記事】
●米ドル/円の戻りを慎重に売っていきたい。株価下落のトリガーは香港めぐる米中対立か(7月6日、西原宏一&大橋ひろこ)
●米ドル/円は戻り売り継続! コロナ再拡大に香港情勢、トランプ劣勢報道など懸念増大…(7月2日、西原宏一)
また、米国やブラジルで新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、過去最多となる感染増が続いており、トランプ大統領の再選にも影響してきますが、こちらもリスク回避の動きにはつながらず、安定した相場が継続しています。
(出所:世界保健機関)
■ユーロは復興基金の合意がカギ!
今週(7月6日~)は、9日(木)にユーロ圏財務相会合が開催されます。
来週(7月13日~)の17日(金)~18日(土)にEU(欧州連合)首脳会議が開催されますが、そこで復興基金に関して合意するために、ユーロ圏財務相会合で歩み寄りができるのかが、注目されるところです。
全会一致が求められますが、オランダやスウェーデンなど4カ国が反対しており、もし合意できればユーロは上昇へ。反対に、合意できないようであれば、ユーロは下落することになります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 日足)
新型コロナウイルスの影響もあって、ユーロ圏の経済は悪化しているため、合意に向けて進めていくのではないかと思いますが、多数の国が集まっているため、なかなか意見の統一ができず、時間がかかっているようです。
メルケル独首相は、「夏の間に合意させる必要がある」と発言しており、合意に向けた歩み寄りに期待したいところです。
■大きな流れとしての米ドル安見通しに変化なし
市場は、全体的に夏枯れ相場のような展開となっており、米ドル/円も横ばいが継続しています。
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルも、1.13ドルを中心とした横ばいが継続しており、方向感のない状態が続いています。
(出所:TradingView)
ただ、米国の財政出動や金融政策の影響で、大きな流れとして、米ドル安になるのではないかという考えは変わっていません。
【参考記事】
●自律的な調整終われば、再度リスク選好へ! 長期的な米ドル安見通しは変わらず。(6月16日、バカラ村)
■ドルインデックスがダブルトップを形成
ドルインデックスは、長期的には103前後でダブルトップをつけており、今は、5月下旬からの下降トレンドの、中段もみ合いではないかと考えています。
(出所:TradingView)
下降トレンド前は、2カ月ほど横ばいが続いており、現在はまだ、1カ月ほどしか横ばいが続いていないため、トレンドができるのはまだ、先になる可能性もありますが、最後は米ドル安へ推移するのではないかと考えています。
【参考記事】
●サイクル崩れ、膠着した相場が米ドル安へ動き始めた! 対米ドルで資源国通貨買い(6月2日、バカラ村)
ドルインデックスの先行指標とされる米ドル/スイスフランも、0.9550フランがレジスタンスとなっています。今は、6月安値の0.9375フランを前に下げ止まっていますが、調整後は長期的なサポートの0.92フラン付近まで下がるのではないかと考えています。
【参考コンテンツ】
●FX初心者のための基礎知識入門:ダブルボトム/ダブルトップ
●FX初心者のための基礎知識入門:トレンド分析1(サポート/レジスタンス)
(出所:TradingView)
■ユーロ/米ドルには上昇の可能性も
また、米ドル/スイスフランとユーロ/米ドルには逆相関性があることから、ユーロ/米ドルも上昇する可能性があると考えています。
ユーロ/米ドルは、復興基金が重要となってきますが、これが合意できれば1.1421ドルの高値も超えて、レンジを切り上げてくるのではないかと考えています。
(出所:TradingView)
現在は、もみ合いとなっている通貨ペアが多いですが、大きな流れは米ドル安ではないかという考えは、そのままです。
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