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チャイナショック(中国ショック、中国危機)とは、中国を発端とし、世界の金融市場を大混乱に巻き込んだ出来事の総称です。
チャイナショックで有名なものとして、以下の4つの出来事が挙げられます。
チャイナショックで有名な4つの出来事
(1) 2007年2月27日(火)の上海総合指数の急落
(2) 2015年6月12日(金)からの上海総合指数の大暴落
(3) 2015年8月11日(火)の中国人民元の急落、およびその後の上海総合指数の大暴落
(4) 2016年1月4日(月)からの中国株の暴落
(1) 2007年2月27日(火)の上海総合指数の急落
まず、(1)2007年2月27日(火)の上海総合指数の急落から見ていきましょう。このころの上海総合指数はかなりの上昇局面にありました。そのため、高値警戒感が広がっていたのですが、そんななか、「中国政府が株式売買益に対する課税を強化する」とのうわさが流れたことなどで、利食い売りが殺到、上海総合指数は1日で8.8%も下落したのです。この急落は上海ショック(上海株ショック)とも言われ、日米欧など世界中で連鎖株安を引き起こしました。
(出所:TradingView)
けれど、その後の上海総合指数はすぐに反発して高値を奪還しており、「上海ショック」は右肩上がりの上海総合指数の調整局面に過ぎなかったと言えるでしょう。
(2) 2015年6月12日(金)からの上海総合指数の大暴落
続いては、(2)2015年6月12日(金)からの上海総合指数の大暴落です。リーマンショック後の最高値を付けるなどバブル状態だった上海総合指数が、2015年6月12日(金)を境にバブルが弾ける形で暴落。2015年6月12日(金)の高値5178.19ポイントから2015年7月9日(木)の安値3373.54ポイントまで、およそ1カ月間の下落率はなんと34.8%ほどになりました。この大暴落により、中国に依存する多国籍企業が影響を受けましたが、このときは世界的に株価が暴落するといった事態にはなりませんでした。
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(出所:TradingView)
(3) 2015年8月11日(火)の中国人民元の急落、およびその後の上海総合指数の大暴落
次に紹介するのは、(3)2015年8月11日(火)の中国人民元の急落です。上海総合指数の大暴落からおよそ2カ月後のこの日、中国人民銀行[中国の中央銀行]が突如、中国人民元の対米ドルでの基準値を大幅に引き下げました。そして、基準値の引き下げはその後2日間にわたって行われ、中国人民元の急落が続いたのです。通称「中国人民元ショック」が起きた背景には、中国経済の減速があるとの見方が優勢でした。
(出所:TradingView)
前述した2015年6月からの上海総合指数大暴落はこのとき、小康状態となっていましたが、「中国人民元ショック」の翌週、2015年8月18日(火)になると下落を再開。およそ1週間で28.8%ほどの大暴落となったのです。この上海株安は世界同時株安へとつながっていき、世界の金融市場が混乱に陥ったのでした。
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(出所:TradingView)
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(4) 2016年1月4日(月)からの中国株の暴落
最後は(4)2016年1月4日(月)からの中国株の暴落です。始まりは中国の株価指数・CSI300指数が大幅下落したことでした。
2016年から中国株式市場ではサーキットブレーカー制度が導入されました。サーキットブレーカーは取引所などで価格が一定の変動率に達したら、取引を休止する制度であり、前述した2015年のたび重なる上海株大暴落を受け、株価下落を抑制することを期待されて導入されたようでした。
サーキットブレーカー発動の基準となるのはCSI300指数。この指数が前営業日比で5%変動すると15分間取引が休止され、7%変動すると終日取引停止となるのですが、取引初日の1月4日(月)、7%下落して早速、サーキットブレーカーが発動。株式と先物の取引が終日停止されてしまったのです。さらに4日後の1月7日(木)には早くも2回目のサーキットブレーカー発動となりました。
元々の株価下落のきっかけは中国の経済指標悪化などにあったようですが、いったんサーキットブレーカーが発動すれば株を売ることができなくなるため、我先にと株を売る動きになったとも言われ、サーキットブレーカーの導入がかえって株価下落を助長してしまったとの見方もあるようでした。こういったことから、中国の証券当局はサーキットブレーカー制度発動の一時見合わせに追い込まれました。
(出所:TradingView)
それでも一度始まった株価下落は止まらず、中国株暴落は世界同時株安へつながり、世界的に1ヵ月~1ヵ月半程度の大きな株価下落局面となりました。また、中国株大暴落の当初は中国人民元も急落し、中国は株も為替も下落する事態に陥りました。
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以前は中国本土の株式市場や中国人民元は、外国人投資家が取引しにくいものになっていました。今も一定の制限があることに変わりはありませんが、中国金融市場の外国人投資家への門戸は開かれつつあります。また、世界経済に占める中国経済のシェアが年々高まっていることは言うまでもありません。
中国の金融市場にひとたびショックが起こると、世界の金融市場に大混乱をもたらす可能性はますます高まっていると言えそうです。2020年現在、米中両国は貿易問題、ハイテク覇権争い、香港国家安全維持法などをめぐって対立しており、次なるチャイナショックに要注意という状況が続いていると言えるかもしれません。
チャイナショックに関するQ&A
・ Q: チャイナショックとはなんですか?
A: チャイナショック(中国ショック、中国危機)とは、中国を発端とし、世界の金融市場を大混乱に巻き込んだ出来事の総称です。
・ Q: チャイナショックはいつ起きましたか?
A: チャイナショックで有名な出来事として、以下の4つが挙げられます。
(1) 2007年2月27日(火)の上海総合指数の急落
(2) 2015年6月12日(金)からの上海総合指数の大暴落
(3) 2015年8月11日(火)の中国人民元の急落、およびその後の上海総合指数の大暴落
(4) 2016年1月4日(月)からの中国株の暴落
・ Q: 上海ショックとはなんですか?
A: 上海ショック(上海株ショック)とは、2007年2月27日(火)に上海総合指数が急落した出来事です。「中国政府が株式売買益に対する課税を強化する」とのうわさが流れたことなどをきっかけに、1日で8.8%も下落しました。この上海ショックをきっかけに、日米欧など世界中で連鎖株安が引き起こされました。
・ Q: 中国人民元ショックとはなんですか?
A: 中国人民元ショックとは、2015年8月11日(火)に中国人民元が急落した出来事です。この日、中国人民銀行[中国の中央銀行]が突如、中国人民元の対米ドルでの基準値を大幅に引き下げたことで発生しました。その翌週から1週間で、上海総合指数は28.8%ほどの大暴落となり、世界同時株安へとつながったことで、世界の金融市場が混乱に陥いりました。
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