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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

短期で米ドル/円の押し目買いもいいかも!
104円台ミドルのブレイクに今回も失敗…

2020年08月03日(月)12:49公開 (2020年08月03日(月)12:49更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■「3者会合」が意味するものとは?

金曜日(7月31日)の株価は、日経平均が629円の大幅安だったのに対して、米株はしっかりしていましたね。

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:TradingView

NYダウ 日足
NYダウ 日足チャート

(出所:TradingView

有料メルマガ「FXトレード戦略指令!」でも配信しましたが、注目されたのは木曜日(7月30日)の動き


米GDPが、前期比年率32%減と過去最大の減少幅になったこと、さらにトランプ米大統領が大統領選挙延期に言及したことで、NYダウは225ドル安


しかし、フェイスブックやアマゾンは好調な決算もあり、時間外取引でアップル、アルファベットなどとともに買い戻されました


このことから、金曜日(7月31日)の米株は反発する可能性が高いと考えられました。

NYダウ 日足
NYダウ 日足チャート

(出所:TradingView

それなのに日経平均が下げたのは、円高の影響もあったのでしょうか?


金曜日(7月31日)の米ドル/円は午前中、104.19円まで下げています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

円高を受けて財務省、金融庁、日銀は3者会合を開催しました。


これには、機関投資家への忖度買いを促す意味合いがあります

■104円台ミドルのブレイクに今回も失敗

買っていたのは、本邦勢だったんですね。


月末リバランスの影響を指摘する声もありました。

それもあったのかもしれませんが、ヘッジファンドなど投機筋は売り込んでいました


彼らが踏み上げられて106円台まで噴いたのでしょう。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

今週(8月3日~)の展開は、どう考えますか?

何度も指摘しているように、104円台ミドルは重要なサポート


今年(2020年)3月、2019年8月と、いったんは割り込んだものの、非常に短い滞空時間で反発しています。


今回もブレイクに失敗しており、いったんは戻すのではないかと思います。

【参考記事】
米ドル/円、104円台半ば抜ければ100円が見えてくる! 動き出せば下落余地は大きい(7月27日、西原宏一&大橋ひろこ)
株式市場が崩れるならドル/円は戻り売り。テスラショックに警戒! 22日は決算発表(7月20日、西原宏一&大橋ひろこ)
ドル/円は年内100円割れでもおかしくない。株価反落で、あっさり下落するイメージ(7月13日、西原宏一&大橋ひろこ)

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足チャート

(出所:TradingView

■「ワープ・スピード作戦」は間に合うか

今週の材料ですが、注目されるのが1兆ドル規模とされる米国の追加経済対策


与野党協議が難航していますが、今週中に合意できないと議会は夏休み入り。


再開は9月ですから、今週中にまとまらないと株価には悪影響が出そうです。

カリフォルニア州では、レストランへ屋内営業の停止が命じられ、豪州でもメルボルンが再度ロックダウン。


世界的に厳しい状況となっています。

そのわりに、米株は崩れません。

ひとつ、もっと評価すべきだったと反省しているのが「ワープ・スピード作戦」


ホワイトハウスの推進する新型コロナウイルスのワクチン開発支援策です。


お金を出し、規制を緩和して、ワクチン開発を急いでいます。


ここまでは順調に進んでいるようですし、トランプさんとしては11月の大統領選に間に合わせたいでしょう。


もし、ワクチンが開発されれば、センチメントが一気に変わる可能性があります。

■給付金でゴールド&ビットコイン買い

コモディティ市場では、ゴールドが史上最高値を更新しました。


以前は、中国やインドでの実需が注目されたゴールドですが、今は、欧米勢の投資用としての需要が目立ちます。

NY金先物 日足
NY金先物 日足チャート

(出所:TradingView

ビットコインも、年初来高値を更新しましたね。


ある調査によると、米国人の15%がビットコインを保有しており、その半分が2020年上半期に購入したそうです。


コロナ対策マネーが、ビットコインへも流れているのかもしれません。

ビットコイン/米ドル 週足
ビットコイン/米ドル 週足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → 仮想通貨リアルタイムチャート:ビットコイン/米ドル(BTC/USD) 週足

給付金でゴールドを買っている人もいるようです。


もうひとつ気になるのが、世界経済の先行指標とされるバルチック海運指数。7月上旬にトップアウトして下落しています。


コロナの影響が、じわじわと出てきているのかもしれません。


これを見ると強気ではいられません

ヒト・モノの移動が、コロナ以前の水準に回復するのは難しいのかもしれませんね。

今週は、米雇用統計が控えているほか、英国や豪州では金融政策が発表されます。


ともに政策変更はない見通しです。

シーズン的に円高の時期ですが、米ドル/円はショートが溜まっているようです。


中長期では円高・米ドル安予想のままですが、ユーロ/米ドルがオーバーボート(買われすぎ)を示していることもあり、今週は米ドル安が調整する可能性がありそう


積極的にトレードするなら、短期で米ドル/円の押し目買いでもいいかもしれませんね。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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