■崩れてきた株価。フェイスブックへの広告ボイコット運動も
株価が崩れてきましたね。
NYダウは「アイランドリバーサル」を形成して下落し、ナスダック総合指数も1万ポイント達成で反落しています。
(出所:TradingView)
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ナスダック総合指数のチャートは「ブルトラップ」ともなっており、厳しい形ですね。
金曜日(6月26日)に急落したのが、ナスダック上場のフェイスブック。
背景にあるのは、フェイスブックへの広告ボイコット運動「Stop Hate For Profit」です。
「ヘイトスピーチを放置している」として、コカコーラやスターバックス、リーバイ・ストラウス、 ペプシコなど名だたる大企業がフェイスブックへの出稿を停止すると発表しています。
(出所:TradingView)
邪推かもしれませんが、ボイコットの真意は「共和党を賛美するような投稿を載せるな」だと見る向きもあります。
11月の米大統領選挙へ向けて、こうした動きは活発化してくるのでしょう。
【参考記事】
●株高についてこないドル/円は104円方向か。ソフトバンクGの売りでユーロ/円が下落!?(6月22日、西原宏一&大橋ひろこ)
●トランプ大統領が習主席に再選支援懇願!? 米ドル/円は依然として100円への過程に(6月18日、西原宏一)
●株価上昇=経済政策が正しいと言えるのか? 迫る大統領選、人種問題がトランプの逆風に!(6月10日、志摩力男)
■第2波、支持率低下、FRBバランスシート縮小…
世界の新型コロナウイルス新規感染者数は過去最多を更新し、トランプ米大統領の支持率低下で再選に黄信号が灯っています。
また、FRB(米連邦準備制度理事会)が2月以降で初めてバランスシートを縮小したことを株価のネガティブ要因として気にする向きもあります。
先週末の株安の原因は、どう解釈しますか?
(出所:TradingView)
シンプルに、コロナの第2波ではないでしょうか。
米国では1日の新規感染者が3万人を越えており、4月と同水準。
特に、テキサス州ヒューストンでは、医療崩壊とまではいいませんが、ICU(集中治療室)のベッドが不足しているようです。
経済活動再開へのステップを踏んでいましたが、いったん逆戻りを余儀なくされそうです。
米大統領選への影響もありそうですね。
大手メディアの中で唯一といっていいトランプ寄りメディアのFOXでも、バイデン支持49%に対してトランプ支持は40%。劣勢となっています。
足もとの株安は、トランプ落選を織り込んだ利益確定売りも影響しているのかもしれませんね。
とはいえ、「世論調査があてにならない」というのは、前回の大統領選で学んだこと。フタを開けてみるまでわかりません。
【参考記事】
●米大統領選挙は予想外のトランプ氏勝利! リスクオフで米ドル/円急落も意外な動き…(2016年11月9日)
●激戦州のオハイオなどでトランプ氏勝利! ドル/円は101円台、日経平均は900円超安(2016年11月9日)
■四半期末まで残り2日。GPIFの買いが出る?
今週(6月29日~)は月末、四半期末、欧米の半期末です。この影響は、いかがですか?
非常に注目しています。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、今年度(2020年度)からポートフォリオ比率を変更し、海外資産の割合を過去最大の50%へと引き上げました。
米ドル/円が先週(6月22日~)、106円台割れ寸前まで落ちたところで買っていったのはGPIFだったのではと思われます。
明日(6月30日)の四半期末までに買わないといけない部分がまだ残っているのではないかとの推測もあり、ニュースや経済指標で下がったところは彼らが買ってくる可能性があります。
(出所:TradingView)
米ドル/円は以前ほど投機対象となっておらず、その結果、年金や輸出入企業のような需給の影響が強まっているのかもしれませんね。
今週の金曜日(7月3日)は、独立記念日の振替で米国が休日。
この日に発表予定だった米雇用統計は、前倒しで7月2日の木曜日に発表となります。
前回はサプライズがありましたが、最近の雇用統計はカウンター(逆張り)で入るのがいいイメージ。
予想よりいい数字が出て上がるようなことがあれば、戻り売りのチャンスだと思います。
【参考記事】
●雇用統計後のドル/円、クロス円の下落は過剰反応の反動。買いへ転じるチャンス待ち(6月11日、今井雅人)
●米ドル/円は「雇用統計天井」で反落! ダウントレンド入り…中期では100円へ(6月11日、西原宏一)
●株価は全戻しで一段落か。二番底はない? ドル/円は106~110円程度のレンジ続きそう(6月8日、西原宏一&大橋ひろこ)
■財政逼迫のサウジアラビア、付加価値税を大幅アップ!
コモディティ市場は、ゴールドも原油も小動きです。
原油で気になるのは、サウジアラビアの動向。
消費税に当たる付加価値税を5%から15%へと、7月に引き上げます。
それだけ財政が逼迫しているということであり、政変の勃発を予想する向きもあります。要注意ですね。
さて、今週の戦略はどう考えますか?
【参考記事】
●トルコの実体経済は想像以上に悪そう…。トルコリラ/円はボックス相場を継続か?(6月17日、エミン・ユルマズ)
●4月米雇用統計予想はマイナス2000万人超。豪ドルは短期調整も、中長期は強気継続!(5月4日、西原宏一&大橋ひろこ)
四半期末に向けたGPIFの買いや、米雇用統計、ヘッドラインに反応して米ドル/円が上昇する場面があれば、戻り売りでいいでしょう。
(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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