■世界全体で止まらないコロナの感染拡大
世界各国で、新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。
やはり、寒くなり、かつ乾燥すると、ウイルスが長生きするので、感染が拡大するというのは本当のようです。日本でも、1日の新規感染者数が、過去最大を更新してきています。

(出所:世界保健機関)
しかし、日本を含め各国は、緊急事態宣言やロックダウン(=都市封鎖)をしたときの、経済の破壊的な落ち込みを見ていることもあり、今回は、経済を回しながら対策を講じるという考えでやっています。
■早ければ12月にもワクチンが使用できるか
そんな中ですが、とても明るいニュースが出てきました。
米国のファイザー社とモデルナ社が、それぞれワクチンの臨床治験が非常に好調であることを発表しています。
昨日(11月18日)も、ファイザー社は、独バイオ医薬ベンチャーのビオンテックと共同開発する新型コロナウイルスワクチンの臨床治験で、95%の予防効果が確認され、重篤な副作用も見られなかったとする最終結果を発表しています。
The study reached 170 confirmed cases of #COVID19, with the #vaccine candidate BNT162b2 demonstrating 95% efficacy beginning 28 days after the first dose.
— Pfizer Inc. (@pfizer) November 18, 2020
早ければ、欧米で12月にも緊急使用許可が承認される可能性があります。モデルナ社の方も、ほぼ同じような状況にあります。
こうした状況に対して、医療の専門家の中には、安全性に対して懸念を示すなどの慎重な意見もありますが、おそらく、このままうまくいく可能性が高いのではないか、と私は考えています。
■ステージ変わり、東京オリンピック開催も!
さて、そうなると、いよいよステージが変わっていきます。
新型コロナウイルスを根絶することは難しくても、抑え込んでいくことは可能となってきます。
日本も、少し時期が遅れるかもしれませんが、そんなに遠くない時期に、ワクチン接種ができるようになってくるでしょう。東京オリンピックの開催も見えてきます。
【参考記事】
●新型コロナのワクチン開発期待で、市場はリスクオン。豪ドル/円は80円へ向けて上昇(11月12日、西原宏一)
■コロナバブル相場は簡単には崩れない!
こうしたことを前提に、今後の相場展開を整理していきます。
まず、株価については、米国ではNYダウなどが史上最高値を更新しています。

(出所:TradingView)
日本でも、足元で日経平均がバブル期以来の最高値を記録しました。

(出所:TradingView)
PER(株価収益率)などを見ると、この動きは本当に異常です。コロナバブル相場ともいえる相場です。しかし、この流れは続くと思います。
理由は簡単です。異常な金融と財政のゆるみで、世界中でお金がジャブジャブに余っているからです。
コロナバブルは崩壊する、と言っている人もいるようですが、これだけ意図的に巨額の資金を供給していれば、そう簡単に相場は崩れないと、私は思います。ですから、今後も株価の堅調は継続するでしょう。
【参考記事】
●コロナバブルが当面、弾けない理由とは? ドル/円・クロス円は反動狙ってエントリー(6月4日、今井雅人)
■相関関係がおかしくなった、為替と株式
問題は、為替相場です。
最近の外国為替市場は、株式市場との相関関係が、まったくおかしくなっています。
【参考記事】
●米ドル/円は106円を超えれば110円も視野! 米ドル安ではなく、緩やかな円安の可能性(11月13日、今井雅人)
以前は、「株高→円安」でしたが、必ずしもそういう動きをしていません。

(出所:TradingView)
また、株高から米ドル安になるという、あまり説明がつかないような相関をするときもあります。
そういう点において、非常に相場を読みにくくなってしまっているのです。

(出所:TradingView)
■米ドル/円・クロス円の買い、ユーロ/米ドルの売りで!
しかし、株高が円高や米ドル安につながるというのは、どう考えてもおかしいと、私は思います。
ですから、円高になったところでの、米ドル/円やクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の買い。あるいは、ユーロ/米ドルが1.19ドル台とかまで上昇したときに、ショート(=売り)ポジションを作るなどの戦略が、有効ではないかと思います。
【参考記事】
●米ドル/円は106円を超えれば110円も視野! 米ドル安ではなく、緩やかな円安の可能性(11月13日、今井雅人)
●「リスクオンの円安」への復帰を期待! 米ドル/円は106~107円へトライできるか(11月13日、陳満咲杜)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)

(出所:TradingView)
■英ポンドは結果が見えるまで静観が賢明
最後に、英ポンド関連ですが、12月末の期限を前に、英国とEU(欧州連合)のFTA(自由貿易協定)交渉が難航しています。
その結果に、大きく振り回されることになりますので、英ポンドに関しては、結果が見えるまで静観しているのが賢明だと思っています。

(出所:TradingView)
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