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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

コロナ対策の成否で通貨に明暗。英ポンド
上昇の理由は、ワクチン代金の支払いかも

2021年02月08日(月)13:17公開 (2021年02月08日(月)13:17更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■1.9兆ドル経済対策が決定へ

1月末に崩れかけた米国株ですが、先週(2月1日~)は強かったですね。


背景にあるのは、1.9兆ドルの経済対策が成立へ向かっていること、でしょうか。

NYダウ 日足
NYダウ 日足チャート

(出所:TradingView

そうでしょうね。


先週の対談で話した「フィリバスター(議事妨害)」を回避して審議される見通しが強まっています。


フィリバスターを回避できれば51対50でも成立する。つまり、民主党の一存で決定できるということです。

【参考記事】
米ドル/円は、今週も押し目買いでよさそう。103.20円水準から下がなさそうなワケは?(2月1日、西原宏一&大橋ひろこ)

ゴールドマン・サックスは1月に1.1兆ドルへ減額して成立させるのではとの予想を出していましたから、1.9兆ドルだとちょっとしたサプライズですね。

■1400ドル給付金でWSB騒動が再燃……?

このペースだと、今月末(2月末)にも1400ドルの給付金が入金されるかもしれませんね。

ウォールストリート・ベッツ(WSB ※)の成功を見て「自分も」と思う人も多いでしょうから、1400ドルが株式市場になだれ込んでくる可能性も高そうですね。

(※編集部注:ウォールストリート・ベッツ(WSB)とは、「米国版5ちゃんねる」とも言われている「レディット(reddit)」内にあるというスレッドのこと。空売り調査会社シトロン・リサーチがゲームストップ株の空売りを推奨したことに対し、このスレッド内でゲームストップ株を買う呼びかけが行われ、多くの個人投資家が参入。ゲームストップ株は一時暴騰した)

【参考記事】
ロビンフッダー対ヘッジファンドが話題に。ユーロ/米ドルの下値余地が拡大中!!(1月28日、西原宏一)
ロビンフッダーがヘッジファンドを締め上げた!? バブル修正の時、為替も動き出す(1月27日、志摩力男)

とはいえ、さすがに1.9兆ドルが決まると、これ以上何があるの?という感じもあります。

米金利が再び上がってきたのも気になります


米10年債利回りは先週金曜日(2月5日)、1.18%まで上昇しました。これも1.9兆ドルの影響でしょうね。

今はまだゆっくりとした金利高ですが、ピッチが加速してくると株式市場がグラッとする可能性がある。要注意です。

米10年債利回り 日足
米10年債利回り 日足チャート

(出所:TradingView

■原油高、穀物高――インフレの足音

原油市場も強い。


スーパータンカー127隻が中国へ向かっているそうですから、主な買い手は中国なのでしょう。量にして2億5000万バレルになります。

中国はコロナも抑え込んでいるといいます。


コロナについてはどこまで信じていいかわかりませんが、景気がいいのはたしかなようです。

原油だけでなく穀物も上がっていますし、「ブレークイーブン・インフレ率(市場が織り込む期待インフレ率)」は2.21%まで上がってきました。


まだ原材料価格が上がっているだけですし、今すぐインフレになるとは思いませんが、今週2月10日(水)に発表される米消費者物価指数は見ておきたいですね。

【参考記事】
米ドル/円は、押し目買いで良さそう。日本のワクチン確保が円安要因になるかも(1月25日、西原宏一&大橋ひろこ)

■コロナ対策の成否が通貨にも影響

先週の「ヘッジファンドの思惑」でも書きましたが、全豪オープンに参加している錦織圭選手が「マスクなしで皆が歩いていた。アメリカも日本も全員マスクをしているので、不思議な感覚だった」と驚いていました。


豪州やニュージーランドがめざすのは「ウィズコロナ」ではなく、感染ゼロ。いまだ拡大が収まらない欧米とは大きな差があります。

【参考記事】
対ユーロで上昇余地が拡大している豪ドル。豪ドル/円も85円に向けて上昇再開!(2月4日、西原宏一)

それが為替の値動きにも表れているようですね。

主要通貨について、対米ドルでの年初来パフォーマンスを見ると、もっとも売られているのが円。ユーロも売られています


一方、ニュージーランドドルや豪ドルはほぼ変動がなく、コロナ対策の成否によって明暗が分かれています。

対米ドル騰落率(2021年1月1日始値~2月5日終値)の画像

※ザイFX!編集部が作成

英ポンドも上昇しているんですね。

英国も感染者は多いのですが、アストラゼネカの本国です。


以前、指摘したワクチン代金の支払いフローが出ているのかもしれません。

【参考記事】
米ドル/円は、押し目買いで良さそう。日本のワクチン確保が円安要因になるかも(1月25日、西原宏一&大橋ひろこ)

米ドル/円はいかがでしょうか。先週は105.77円まで上昇する場面がありました。

米ドル/円は、米10年債利回りへの感応度が高い。金利上昇につられたところもあるのでしょう。


ただ、チャート的には今回の上昇で、106円台を超えるのはしんどそうに見えます。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

■アップルと起亜自動車の提携は円安要因

西原さんが気にしていた、アップルのEV(電気自動車)を巡る韓国・起亜自動車との交渉については、情報漏れを嫌ったのか、一時交渉中断との報道も出ています。

いずれにせよ、日本メーカーがアップルに「選んでもらう」という立場に置かれているのは残念


外国人から見ると、日本の自動車産業の衰退をイメージさせますし、本当にそうなれば、トヨタなどの円買いフロー減少ということにもなります。


長期的には円安要因と言えるでしょう。

【参考記事】
円の上昇力に陰り! アベノミクス開始時の予想どおりなら、将来米ドル/円は150円か(2月4日、志摩力男)

2月11日(木)から中国では春節が始まりますが、中国政府は帰省の自粛を呼びかけています。


例年なら「春節でインバウンド需要が高まるから円高」といった見方もありましたが、今年は影響がなさそう。


今週の戦略は、どう考えますか?

米ドル/円の押し目買いでいいのでしょう。106円を上抜けるとしても、一度押し目を作ってからではと思います。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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