昨日はPPIが出た。前日のCPIでかなり強烈にインフレ懸念が増幅されていたので、今回のPPIの数字では驚きは少なかった。まずは誰もが気にするところのドルの長期金利は上昇に向かわなかった。これがこの日のすべてを決定したと言ってもよいだろう。それをうけて米国株も底を打って反転しだし、ニューヨーク時間のコアタイム中ではむしろ押し目買いの絶好のステージだという認識が高まって強いビッド状況となった。
ドルも弱まる方向のバイアスを受けたものの、先日からのドルのメクリ上げで持って行かれているショート勢の逃げのビッドも強くて、簡単にドル全般が下がることはできなかった。ドル円も重い展開とは成ったものの、109円台の中盤を大きく割り込んでくることはなかった。
その一方でビッドコインが急落した。テスラ社が受け付けないと発表したからだ。テスラもビッドコインで購入可能としながらも、結局のところ、ビッドコインの世界で営むことはできなかったということだ。ビッドコイン建ての値段表記も、対ドルでこれだけ変動している状況の中では固定の値段で呈示し続けることは困難だったということ。
それはつまるところ根っこの部分はドルに依存していたと言うことに他ならない。ビッドコインで稼いで、ビッドコインで消費するという生活環境にはまだまだ遠いのだということを示したのである。
ところで今週に入ってからの株下げ局面でこれまでと違うのは、市場があまりパニック感をいだかなかったということである。これだけの下げを演じるとなると通常ではボラティリティが一気に40%台に高騰したりするのに、ずっと20%台にとどまったままであった。ボラティリティがあんまり上がっていかなかったということは、それだけオプションの必要性をマーケットが感じなかったということである。
だからといって相場水準がすぐに元に戻るというわけではない。市場がある程度まで下落もやむなしと感じていただけなのだろう。
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