■パウエル議長のハト派発言で、米国株反発・クロス円上昇
6月15日~16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、来年(2022年)にも利上げの可能性が出てきたことでリスク回避の動きとなっていましたが、22日(火)のパウエル議長の議会証言では「FRBは予防的に利上げすることはない」など、ハト派な発言となりました。
【参考記事】
●突然、ハト派からタカ派になったFRB。米ドル高継続なら、ユーロ/ドルは戻り売りで(6月22日、バカラ村)
これを受けて米国株は反発し、為替市場ではクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が上昇しています。
(出所:IG証券)
米ドル/円も、年初来高値を超えて一時111.11円まで上昇しました。
(出所:IG証券)
★ザイFX!で人気のバカラ村さんの有料メルマガ「バカラ村のFXトレード日報!」では、個人トレーダー目線で初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスや相場分析などを、メルマガで配信! 10日間の無料体験期間もあります!
■月末・四半期末で、海外勢はポジション調整に動きやすい
今週(6月28日~)は、月末・四半期末の週となります。
そのため、材料がなくても実需のフローによって動きが出てくることもあります。
そして、7月2日(金)には、米雇用統計もあります。
さらに、来週(7月5日~)、5日(月)は、米国が独立記念日の振替で祝日となります。米国は連休になるためポジション調整も出やすいことになります。
そのため、海外勢はポジション調整に動きやすくなります。
今週(6月28日~)は、半期末ということから、新しくポジションを建てていく参加者よりも、偏ったポジションを手仕舞いする人の方が多いのではないかと思います。
前回のコラムでは、ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは戻り売りと考えていましたが、先週(6月21日~)はクロス円の反発に連れて、下げ渋る動きとなったことで、下降トレンドの中段もみ合いの形となっています。
【参考記事】
●突然、ハト派からタカ派になったFRB。米ドル高継続なら、ユーロ/ドルは戻り売りで(6月22日、バカラ村)
(出所:IG証券)
(出所:IG証券)
■英MPCは現状維持で、英ポンドは下落
6月24日(木)は、英国の金融政策会合もありました。
政策金利は据え置き、債券購入額も据え置きとなり、以前と同じ内容となりましたが、先々週(6月14日~)のFOMCがタカ派だったことから、英MPC(金融政策委員会)もタカ派になるとの思惑もあったのですが、実際は現状維持だったため英ポンドは下がりました。
(出所:IG証券)
来週(7月5日~)、6日(火)はRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])理事会があります。
将来的には、各国の金融政策は出口に向かう可能性はありますが、英MPCが現状維持であればRBAもまだ現状維持になる可能性が高いと思います。
また、新型コロナウイルスの変異株の拡大もあり、シドニーの一部では2週間のロックダウンが導入されました。
豪州最大の都市でもあるため、景気への悪い影響も出てくることになります。
そのため、RBAではハト派になりやすいと思いますので、豪ドルも上昇しにくいように思います。
(出所:IG証券)
★バカラ村さんの有料メルマガ「バカラ村のFXトレード日報!」では、実践的な売買アドバイスを配信! 10日間の無料体験期間もあります!
■ドルインデックスは3月高値トライが期待できる
ドルインディックスでは、FOMCを受けて上昇したことで、89.50が底となっています。
FOMCのときの動きでチャートは上昇トレンドとなっていることもあり、3月31日(水)の93.40をトライする動きが期待できると思います。
(出所:IG証券)
米ドルを見るときは、ユーロ/米ドルのチャートを確認する必要がありますが、ユーロ/米ドルも200日移動平均線を下抜けて下降トレンドとなっています。
(出所:TradingView)
今週(6月28日~)は、半期末のため実需のフローの動きがメインとなりそうですが、チャートからは豪ドル/米ドルやユーロ/米ドルは売り目線のままでいいのではないかと考えています。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)