今週は、パウエルFRB議長の議会証言に注目
今週(7月12日~)は、14日(水)・15日(木)に、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の半期に一度の議会証言があります。
金融政策を決定する場ではないため、これまでの発言を繰り返すだけだと思いますが、質疑応答のときにどのように答えるのか、そこは注目だと思います。
今週(7月12日~)は、パウエルFRB議長の議会証言が行われる。質疑応答のときにどのように答えるのか注目 (C)Bloomberg/Getty Images News
市場参加者でタカ派の予想は、早ければ今月(7月)27~28日のFOMCや、8月26~28日に行われるジャクソンホールでの経済シンポジウムで、テーパリング(※)を示唆し始めるとされています。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
テーパリングの開始に関しては、早くて今年(2021年)の後半、もしくは来年(2022年)の初旬というのが、既定路線となっているため、かなり織り込まれていると思いますが、ただ米国株が高値圏で推移していることもあり、上昇しているようなタイミングであれば調整の材料にされやすいと思います。
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米長期金利は調整一巡か。今年後半に再度上昇へ
米長期金利は今年(2021年)に入ってから1.00%の節目を突破し、3月末に1.77%台まで上昇しました。
市場参加者のほとんどが、今年(2021年)は米長期金利が上昇すると予想していましたが、4月に入ってからはその予想とは反対の動きとなり、7月8日(木)には1.25%まで下がりました。
(出所:TradingView)
市場参加者の予想が一方に偏ると、反対に推移することが多く、今回もその動きとなりました。
ただ、その調整の動きも一巡したのではないかと思います。
今年(2021年)後半には、米長期金利は再度上昇しているのではないかと思います。
米ドル/円は109~111円レンジに切り替わったか
米ドル/円は、直近では米長期金利との相関性が低くなっており、米長期金利の下げに連れずに、110円台付近での推移が続いています。
テクニカルからは、4月下旬から6月末まで上昇チャネルでの推移となっていましたが、これを下抜けてきました。
(出所:TradingView)
そのため、110.40-50円や111.00円にレジスタンスができており、下がる可能性の方がある形となっています。
ただ、米長期金利は下げ止まったと考えていることもあり、米ドル/円も底堅く、しばらくは109~111円のレンジに切り替わったのではないかと思います。
(出所:TradingView)
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RBNZは、政策会合で利上げの可能性を示唆するか
今週(7月12日~)は、14日(水)にBOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])とRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])の金融政策会合があります。
BOCは4月にテーパリングをしてから、カナダドルが上昇していましたが、さらにテーパリングを7-9月期に行う可能性があるため、注目するところです。
【参考記事】
●4月FOMCでのテーパリング示唆は見送りか。GWは海外勢の仕掛け的な円買いの可能性(4月27日、バカラ村)
RBNZは、金融機関の予想では、2022年に利上げ開始とされていたところ、今年(2021年)11月に利上げを行うと、前倒しの予想が出てきています。
さらに来年(2022年)には、利上げを数回行うとの予想もあるため、利上げサイクルに入る可能性も出てきています。
まだ金融機関の予想になるため、RBNZの金融政策会合の内容が注目されるところですが、利上げの可能性を示唆するようなことになれば、ニュージーランドドルは上昇することになります。
そのときは、ニュージーランドドル/円の買いや、ユーロ/ニュージーランドドルでの売りも考えていいのではないかと思います。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
今週(7月12日~)は、パウエル議長の議会証言とRBNZの金融政策会合に注目ではないかと考えています。
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